暗号資産:損する所得、得する損失

最低取引単位未満の暗号資産

金融取引は、最低取引単位が決まっている。
例えば、銀行預金を50銭だけおろすことはできない。銀行では1円単位での取引になっているし、残高も1円単位で記帳される。

ただし、暗号資産は通貨取引とは異なり、最低取引単位未満の数量を取引することができる。
例えば、暗号資産を保有しているだけで報酬がもらえる場合がある。これをステーキングという。ステーキングでは、最低取引単位未満は切り捨てということは行われない。
すると、取引単位未満の資産が記帳されるのだが、これは売却も換金もできない。
株にも端株が、それと似たようなものである。

不労所得だから使えなくてもいいだろうとあきらめてもいいのだが、この報酬には所得税がかかる。
所得は財を受け取ることで生じる利得に課税されるものだと思うのだが、使いようがなく、換金不能なものは財と呼べるのだろうか。
将来、当該資産の価値が暴騰したら取引単位も細かくなっていくかもしれないが、そんなことは誰も保証してくれない。

取引所を比べると、より最低取引単位が小さい取引所が見つかる場合もあるので、そこに移せば取引ができるようになるかもしれない。

損を発生させるためのサービス

最低取引単位未満の暗号資産は、せいぜい数円か数十円なので、目立った損ではない。
ただし、流動性が低すぎて取引ができなくなったコインについては、どうするのか。
単価0で買い取ってくれるサービスがある。
帳簿上は損失を確定することができるから他の雑所得があれば相殺することが可能である。
ただし、買取にはお金がかかる。
節税のためにお金を払って損失を確定する。おかしなサービスだが、思いついた人はすごいなあ。