株式は、長期投資を心がけましょう
なんて、建前である。
今の経済教育は、投機は始めるとくせになるから絶対やってはいけませんと言っているようにも聞こえる。
個人投資家が増えたというが、実態は投機を専門とするデイ・トレーダーが増えたのである。NTT株のときは「素人が株に手を出して」なんて批判があった*1が、デイトレーダーに批判がないということは投機をする人が市場に資金を投資する効果を暗にみんなが認めているのである。でも、短期売買はたばこや酒のように「やりすぎに注意しましょう」なんて言われてしまう。
たしかに生活費まで投機してしまうようなサラリーマンを作ってはいけないが、きちんと貯蓄や投資ができる人なら、総資産の5%や10%*2くらい、または損失額が投資資金の数%程度に抑えられるのであれば投機したっていいと思う。節度を持ってお小遣いの範囲で投機をする人をここではプチ投機家と呼ぶ。
時間外取引で株を買い占める人がいるわけだし、合法ならば市場をいろいろな使い方をする人がいていいのである*3。ましてや、プチ投機家は市場に迷惑をかけることはないだろう。
ただし重要なのは、プチ投機家が自覚がないうちに本格投機家になってしまうことである。どうしたらいいのか。
まずは、ミニ投資家を育てようとして開発された投資信託やミニ株というのがあるが、いずれも利益が出る仕組みとは思えない。少なくても「投資信託はハイリスクローリターンだが、貧乏人は市場に参加させてやっているだけ感謝しろ」と高給の金融業界人たちが笑っている姿が想像できてあまり好きではない。それなら貯蓄型保険の方がまだましである。
一方、為替の証拠金取引は、数ヶ月後には投機に走っている自分が想像できてしまい、なかなか手が出ない。
わたしが望むのは、ライブドアのように単位株が少ない銘柄が増えることだが、証券会社にも工夫ができる。それは
インターネット取引に売却予約機能を搭載すること
である。10日経ったら放置していても成行で売り注文を出すとか、1割利益が出たら自動的に売り注文を出すとか、5%以上値が下がったら自動的に売り注文を出すとか、購入時点で決めた方針通りに結論が出るような仕組みにするのである。だらだら悩んでいるうちに値崩れが進む心配がなくなる。
市場取引では希望通りに値段が成立しないことがあるので自動化は難しいかも知れないが、市場参加の目的が「プチ投機」なのだから安全に売る必要はないのだ。工夫できないだろうか。
証券会社のサーバー・アプリケーションで自動的に処理すると苦情に対抗できないというなら、Webアプリケーションに指示を出せるクライアント・アプリケーションを提供する。値段がしきい値を超えたら警報を出し、止めなかったら自動的に処理を代行する。24時間つけっぱなしにできるパソコンを自宅に用意できる人しか使えないが、ソフトウェアを使った人の自己責任とすることができる。
いろいろアイデアはありそうだ。