まずは開通おめでとうございます。
でも実はあまりおめでたくもない。JR首都圏のダイヤ乱れリスクが高まる。こんな路線はあまり歓迎はしていないが、ひとつ良かったこと。
へんてこりんな片仮名の愛称がつかなかった。上野東京ラインとか、東武アーバンパークラインとか、それ単体で用いるのはいいのだが、他の単語と併記すると一気に読みにくくなる。
東京、横浜、小田原方面
と書いてあるのが、
キラメキシティユウラクチョー、ニューブリッジ、ザ・サンライズ浜松町、高輪ゲートウェイ方面
に置き換わったら方面看板であること、駅名が書かれていることすら視認してもらえなくなる。
少し片仮名まみれの雰囲気を味わえるのが千葉県のディズニーリゾートライン。リゾートゲートウェイ・ステーション、東京ディズニーランド・ステーション、ベイサイド・ステーション、東京ディズニー・シー・ステーションと全駅片仮名だらけだが、これらは看板に書いてあっても読む必要がない。きっぷを買うにも路線図を見なくていいし、駅名は「駅側」「ランドの前」「海側」「シーの前」というだけのことだ。
武蔵野線であれば越谷レイクタウンだけならまだいい。でも三郷も浦和も府中も沿線がみんな片仮名を使い始めたらカオスになる。
片仮名に親しみが持てないということもあるが、とにかく長い。全国には類似地名があって、識別のために旧国名をつける駅名が伝統的に存在する。例えば総武線の下総中山がそれに当たる。なぜ横浜線の駅は中山でよかったのかはわからないが、旧国名で区別するところまでは違和感なしという感じである。
やがて、千葉県の中山に地下鉄が通ったときに隣の市と駅名争いになり、2つの町名を略さずにつなげる「原木中山」という妥協案が採用された。近くに下総中山があるので、原木中山が長いということにはならなかったようで、小竹向原など、類似の例はある。
覚えやすさと読みやすさの両方を考慮したら漢字4文字程度が妥当ではなかろうか。
南阿蘇水の生まれる里白水高原駅のような長い駅名ブームはあったけれど、それをもってみんなが長い駅名を容認していると錯覚しないでほしい。 東京、有楽町、新橋、浜松町、田町ときて、その次がいきなり「高輪ゲートウェイ」ときた。どうしちゃったんだろうと思わざるを得ない。いったん長くし始めると命名側は麻痺してしまい、白水高原のような事例が出てきてしまう。どの駅も8文字、10文字が当たり前になってしまったら、読みにくくてしょうがない。
キラキラ駅名はガーラ湯沢に始まり、越谷レイクタウンなど前例があったが、高輪ゲートウェイの次は何をしでかしてくれるのだろうかと思っていた。
路線名も同じである。将来羽田アクセス線が開通したら、大宮駅からは東海道線経由の羽田空港行きと、埼京線経由の羽田空港行きができる可能性がある。今でも湘南新宿ラインと上野東京ラインが存在するが、さらになんちゃらラインを2つ増やすつもりだろうか。一般人が覚えるには2つが限界である。湘南新宿ラインは、運行情報上では「湘南新宿ラインで、東海道線、高崎線を通るもの」と「湘南新宿ラインで、宇都宮線、横須賀線を通るもの」とが存在する。「湘南新宿ラインでりんかい線を通るもの」を作るつもりなのか。
話をもとに戻すと、今回の相鉄線、埼京線、川越線直通電車は何と呼ぶつもりなのか興味があった。
羽沢横浜国大
相鉄新横浜線
相鉄・JR直通線
常識的な命名であった。
高輪ゲートウェイで懲りたのだろう。今後も気を付けていただきたい。