レンタカーの賢い借り方

頻繁にレンタカーを借りるという人もいるだろうが、国内旅行で数年に一度使う程度という人もいるだろう。
車によく乗る人でも、家の車や仕事の車以外のものに乗るのは久しぶりという場合もある。
レンタカー業者は乱立しているのだから、慣れていない人に丁寧にガイドしたり、わずらわしい手続きを軽減したりするだけで選ばれる会社になると思うのだが、予約検索や車の写真ばかり出てくるWebサイトのつくりにはがっかりさせられる。レンタカー業界はサービス業にもかかわらず、モノを貸すことに徹していてコト消費を意識していない。
仕方がないので、かわりにいくつか注意点をあげておこう。

申込書類は事前に用意しよう

例えば、家族旅行で駅に着いてレンタカーの営業所に向かったとする。こういう場合、同じ便で到着した人が同時に受付に押し寄せるので、できれば早めに並んだほうがいい。例えば、子供や体の不自由な人がいっしょであれば、別の大人に任せて運転者だけ先に営業所に行くようにする。
ここで、自分を受付してもらえるようになったとしても、名前や住所を書いてください、と言われると大きな時間ロスである。
いくつかのレンタカー業者や、旅行代理店は事前記入に対応している。こういうサービスはなるべく活用すべきである。
保険の説明も省略してもらえることがある。事前記入しておけばアップグレードの勧誘を受けにくい。ただし、その営業所の常連でもない限り、完全に省略されることはない。万が一の事故のときの保証の話なのでしっかり聞こう。

免許証以外にも必要なものがあれば持ち込もう

レンタカーを借りるときは運転免許証の提示が必須である。これは多くの人が忘れないだろう。ただし、本当にそれだけなのか。特に普段、車に乗る機会が多い人は車に常備しているので、車に乗る時持ち込むという感覚がないので注意が必要である。
チャイルドシートは、営業所で貸してもらえる。事前申し込みをするのが一般的である。
あると便利なのはスマートフォンの充電器。最近はUSBポートがついている車が多いが、確実なのはシガーライターのソケットにアダプターを差し込むタイプ。普段使っているなら、車から取り出して旅行に持っていこう。
普段なら車で使っているゴミ箱はレンタカーにはない。コンビニの袋を捨てないで持っておくと便利である。
そして、ETCカードマイレージに入っている人は忘れずに。なお、わたしは万が一持ち帰るのを忘れたら再発行が面倒なので、旅行のときは別のカードを使うこともある。

慣れていなければ慣れていないと素直に言おう

明らかに見た目が20代前半であれば、丁寧に車の取扱いについて説明してくれるが、ベテランドライバーであれば、契約者が詳しい説明を求めているのか、急いでいるのか、計りかねていることがある。もし慣れていなければ詳しく説明をするよう、こちらから話してみよう。

車の使い方を確認しよう

教習所で習った事前確認を全部やれば問題ないのだが、発進前に理解しておきたいこととして、以下のようなものがある。

営業所を出るときには早く目的地に向かいたいという気持ちがあって気が付かないことがある。少し走ると意外のことがわからなくて困ることになる。

発車前に窓を閉めよう

禁煙車を頼んでも、タバコまみれの車がある。最近はタバコの代替品が増え、メンソールのにおいが充満していたりする。しかし、営業所で引き渡しがある時点では窓が全開になっていたりして気づきにくい。最近は目立つ場所に禁煙車であることを示すステッカーが貼られているが、禁煙ステッカー付きの車が、禁煙が守られている車とは限らない。
家族連れの場合は、車の引き渡しをひとりで受けるのではなく、においに敏感な人を連れて行こう*5。においが気になるなら、遠慮せずに店員に言おう。消臭剤くらいはまいてくれるかもしれない。
発車前に、必ず窓を締めて冷暖房をかけてみよう。あるいは真夏で空調全開で渡された場合は止めてみよう。エンジンを止める練習をするふりをしながら確認するとスムーズ。
あとで気づいても、対処が難しい。車用の消臭剤はコンビニでも売られていることがあるが、1日2日使うだけにしては結構高い。家庭用の消臭スプレーは大きすぎて買うのに躊躇してしまう。

ガソリン満タン返しをするときの給油所をカーナビで検索しよう

あまり行かないところで車に乗るのだから、あとで必ず行く給油所の場所についても不慣れなことが多い。早めに知っておこう。あらかじめ検索しておけば、返却直前に履歴検索すればよいのでスムーズである。

  • 普段、セルフを使っている人はセルフのスタンドがいいかもしれない
  • 普段、ポイントをためている支払い方法に対応した系列店を使いたいかもしれない
  • 返却曜日や時間帯によっては営業していないかもしれない

ガソリンスタンドを選ぶときにはこれらのような制約がある。旅行中楽しくても、返却時刻直前になって慌てると、旅の終盤でせっかくの思い出を台無しにしてしまう。最初に調べておこう。
営業所から発車する前だったら、営業所からの道のりが短いものを探しやすいし、予想所要時間も詳しく表示してくれる。ただし、大きな道路で右折入場が禁止されていたり、右折入場する運転が苦手だったりすることがあるので、ガソリンスタンド周辺までカーナビの画面をスクロールさせて、周辺の地図を確認しておこう。

空港近くがいいとは限らない

パッケージ旅行を手配するとレンタカーが付いてくることがあり、指定のレンタカー店から選ぶことが少なくないだろう。ただし、そういった店は主要航路からの到着に合わせて短時間に集中する客を素早くさばくことには熱心だが、どうしても慣れない人にとっては待たされる割には応対が雑と思うことがある。また、帰りの時間も集中しがちで、2回旅行満足度が下がる。
空港近くの店ではなく、まずは公共交通機関で移動するということも検討してみるといいだろう。
那覇空港の場合、那覇市の中心部は渋滞する。帰り道の渋滞中に離陸時間が迫ってくると、旅の終わりの時間を楽しむ余裕がなくなってしまう。いったんゆいレールに乗って移動することも検討する余地がある。那覇自動車道の近くまでワープできる。帰りもまた、市街の渋滞をゆいレールで回避することが可能だ。
空路とレンタカーだと、荷物は大きくてもいいと考える人もいるようだが、いったん移動する場合は荷物は数日前にホテルまで送ってしまう方が楽である。空港でも手荷物を待たなくていいのでおすすめである。
なお、離島の場合は空港近くで借りるしかない。

*1:フットブレーキがある

*2:慣れない車だと、意外と見つけにくい

*3:操作パネルのガソリンスタンドマークにある三角矢印で確認できる

*4:運転席にレバーがない車もある

*5:ただし、小さい子供が歩き回ると危なかったり迷惑になる場所であれば建物の中で待たせよう