Windows 10 をクリーンインストールする

このまま累積アップデートできるのかね

 Windows 8 RTMからアップデートで育ててきたWindows 10搭載ノートPC。買ったときは爆速だなと思っていたハードウェアも普通以下の性能となってしまいました。Insider Programに入り、ある日EdgeのデスクトップアイコンにBETAの文字が入り、Autumn 2018 Update向けに準備しているのだなと思っていたが、AutumnがリリースされてもUpdateされません。
 同じ頃、再起動直後のサインイン時にファミリ機能の謎のウィンドウが現れるようになりました。Windowsシェルエクスペリエンスの許可を親からもらうようにとのことだが、親のIDでサインインしたときに表示されます。ファミリ機能には祖父母機能があったのでしょうか。そもそも、Microsoftはカタカナ表記は長音をつけることを原則にしたのではなかったのかと。ファミリってなんだよ。IT業界を除く日本で一般的な表記はファミリーでしょ。最初はウィルスかと思いましたよ。
Microsoft コミュニティの書き込みも的を射た回答が出ていなくて参考にならない*1。Insider Programを使用しているからかどうかはわかりません。
 それでも、手動で新しい更新プログラムを導入したら直ると思っていました。ところが、時間をかけてプログラムをダウンロードした後、時間をかけてインストールが行われ、再起動後も時間がかけてファイルの書き込みが行われたと思いきや、突然再起動されてロールバックが始まってしまいました。
 その後、何度やっても同じ。いや、厳密にはロールバックが行われるという意味では同じなのであるが、エラーコードが変わる。再現性のないエラーが毎度起こっているということです。
 Cドライブの残り容量を見たのですが、買ったときに比べて40GBくらい余計に費消されています。メインのPCではないのでユーザーデータはほとんどありません。Officeも入れていません。ストアでいくつかゲームを入れましたが、ストアのゲームの容量はハードディスク容量と比べたらわずかです。何がひそんでいるのか少し怖くなりつつも、ディスククリーンアップ機能を試しましたが、一向に減りません。

これは、クリーンインストールしかないな

と思いました。
 いちおう、Windowsには初期状態に戻すオプションが用意されているのです。しかし、長年Windowsと付き合ってきて、こういうものがうまく動いた試しがありません。そして今回はWindows 8→8.1→10と進化させてきたOSですからますます動かないだろうなと思っていましたが、念のためにやってみたらやっぱりだめでした。
Windows 10は、累積で更新プログラムを突っ込み続けるという提供形態になっています。ごみがたまり続けて不具合が起こるのではないかと薄々感じていました。そして今日、現実のものになってしまいました。PCの保有者はいつかはOSのメンテナンスをするか、ハードウェアを交換しなくてはならないのです。そしてそれはOSの技術がいくら進化しても変わらないのです。Chrome Bookも持っていますが、というか、この原稿はChrome OSで書いていますが、この端末もやがて動かなくなるのでしょうか。そのときハードウェアがまだ死んでいなかったらどうやってソフトウェアを復活させればよいのでしょうか。

クリーンインストールの準備

 昔ですと、インストールディスクを注文するというところから始まるものでした。今はインターネットにつながっていれば新たに用意するのはUSBメモリーか、DVD-Rだけです。ブルーレイでもいいですがもったいないです。メディア作成ツールをダウンロードしてメディアを作るか、ディスクイメージ(ISOイメージ)をMicrosoftのサイトからダウンロードするか、どちらかが選べます。
 メディア作成ツールを起動する前に、ハードディスクに空き容量を十分確保しておきましょう。32ビット、64ビット容量のディスクを作るには13GBほどいるようです(2018年現在であり、Windowsの進化によって変動するでしょう)。
起動すると、「このPCをアップグレードする」「他のPC用にインストールメディアを作る」の2つの選択肢があります。「初期状態に戻す」機能によって必要なくなったはずの「このPC用にインストールメディアを作る」の選択肢がほしいものですが、後者を選びます。
 するとISOファイルが作られます。ISOイメージのダウンロードでよかったのでは、とも思いましたが、終わった後DVD書き込みツールを起動するリンクがついていて、それを選ぶとISOファイルを選ばずに書き込みができました。これは便利でした。最初からISOイメージ目当てでも、メディア作成ツールを使ったほうがいいと思いました。
 このPCはメインのPCではないので、バックアップやファイル退避のたぐいは全くしませんでした。普通はこれに1時間くらいかけるものです。
 デスクトップにどんなショートカットがあったか、スタートメニューにどんなアプリケーションが登録されていたか、画面ショットを撮って印刷したりすることもしませんでした。そもそもスタートメニューってWindows 7かよと自分に突っ込みたくなりました。クリーンインストールをするのがWindows 7以来なんです。
 その前は、コントロールパネルの設定とか、iniファイルとかも保存していました。このPCの場合、仮想メモリーのサイズはどれくらいかとかも重要でした。今回は全くしませんでした。

インストールは簡単だった

 最後に、もう一度だけWindows Updateができるか試して失敗を見届けた後、DVDをドライブに入れて再起動しました。
 Windows 10のインストールはWindows 8.1からのアップグレード時に一度やりました。その時と変わりません。少し時間が短かったと思います。でも、これってよく考えるとすごいです。
 最初にライセンスキーを聞かれました。しかし、Windows 8.1からアップグレードして使っていたのでライセンスキーの発行は明示的に受けていません。いったんスキップすることにしました。
 次に、ユーザーの作成がMicrosoftアカウント推奨になって、これを使うととても早いです。まず、先に書いたライセンスの問題はクリアしてしまいます。ライセンスはMicrosoftアカウントに紐付いているそうです。クリーンインストール前に使っていたアカウントを同じデバイスに登録すれば何も聞かれなくなりました。電話で長い番号を聞かせられるのかと思っていましたが完全にありません。
サインインすると、デスクトップの壁紙もカスタマイズされているし、プリンタードライバーも勝手に入りました。Windows端末を複数持っているので予想されたことではありますが、すべてクラウドに設定があるのです。無線LANの設定はさすがにやり直しましたが、Officeも365だったら自然と導入されてしまうということなんでしょうか(個人ライセンスは持っていない)。
 ストアを初回起動すると、大量のアプリケーションが導入されようとしましたが、せっかくハードディスクの中身がきれいになったのだから使うときに入れようと思っていったん全部一時停止させました。アプリケーションも昔は半日くらいかけてひとつひとつ入れていたものですが、クラウドから自動で流し込まれる時代になりました。

相変わらず

 最初から画面などのカスタマイズが済んでいるのですぐ使えそうな感じでしたが、セキュリティの更新ができているのかは確認が必要でしょう。というか、ウィルス定義ファイルは必ず手動で更新したほうが良さそうです。
 ここで数時間前に悪戦苦闘したWindows Updateを開くと、やはり更新プログラムが7つも検出されました。これを粛々と導入する作業は昔と変わらないようです。でも、Windows 7とOffice XPの組み合わせの場合、末期は100を超えてしまっていたことを考えるとかなりの時短です。ブロードバンドでも少々時間がかかりますが、それでも数十分です。焦らず待ちましょう。

 昔はOSの入れ直しといえば2〜3日の苦行でしたが、2時間くらいで終わりました。もちろん、ユーザーデータをローカルに入れていたらエクスポート、インポートが発生しますが、今はファイルサーバークラウドストレージを使う時代なので回避することは可能です。

 Windows as a Serviceまであともう少しですね、と思いました。