CISAを受験する

情報システム監査人という資格をとった。

試験について理解する

試験はISACAという団体が実施している。教本はあるがそれだけで勉強するのは難しい。
試験は全問4択1択であるが設問によっては正解が存在する。受験者はISACAが考える正解を選ぶ必要があり、中途半端に実務を知っていると間違えてしまうことがある。
例えば「最も」「最初に」「一番」という枕詞は頻出で、これらは正解らしい選択肢が紛れ込んでいることを示唆している。
ただしISACAの意図をつかめばひっかけはない。一度問題集で解いたことがあれば間違えることはないだろう。

勉強する

ISACAの考えを理解するには、ISACAオリジナルの教本を取り寄せるよりAbitusという予備校のテキストを取り寄せ、講義を受けるのが手っ取り早い。ただし受験料と合わせると30万円弱の投資が必要となる。実務経験者やIT業界関係者であれば、何かを覚えようとするよりも出題の傾向をつかむようにすれば勉強自体は苦ではない。
人命が何より大事、不正を見つけたらまずは報告、といった典型パターンが存在する。あまり解説すると予備校のビジネスの邪魔になるので控えるが、1か月もするとこれが正答なのではないかと感覚的にわかるようになってくる。
受験者のほとんどは社会人だと思われるが、学校の入学試験とは違って、とにかく流すことが重要。10問解いて3問間違えたとする。なんで3問間違えたかを考える暇があったら、次の10問を解いた方がいい。問題文や解説がわからなかったらどんどん捨てる。試験なのだから満点を取る必要はない。

受験する

試験はComputer Based Testである。首都圏であれば東京の受験会場が自由に選べる。休日は早めに満席になってしまうが平日であれば3週間前くらいでも大丈夫。土曜の予約を変更して2週間先に変更しようとしたら、2コマくらいの中からしか選べなかった。申し込み期間が始まったら、先の予定がわからなくても早めに日時を予約してしまうといい。早期割引もある。地方在住であればなおさら早めに席を抑えてしまおう。
申し込み時に受信するメールを印刷して持っていく必要がある。テスト会場では多種多様な試験が行われているので、受付で「シサの試験です」と言ってもそれは何ですかと言われてしまうかもしれない。テストを申し込んだ証はメールしかない。早めに申し込みをするとメールやその印刷をなくしてしまう可能性がある。というか実際わたしはなくしてしまった。受験日時・会場を変更したのでもう1回メールを受信したから問題にはならなかった。3日くらい前にも確認のメールが来る。
メール文面に書いてあるIDを試験前にPCへ入力する必要があるので、そのためにもメール文面の印刷物は持っていく必要がある。わたしが受験したセンターの場合、IDは付箋に書いて持ち込んでください、という。メール文面すら持ち込み禁止という徹底ぶり。
持ち物は身分証明書だけ。運転免許証が使えるテストが多いと思われるが、CISAの場合パスポートがよいというガイドだった。そのテスト会場では

免許証とパスポートの両方をご提示ください

と言われた。いやいや、2つ必要なんて言われていないですが。たまたま持っていたので問題なかった。
パスポートは受験用のパソコンについている書画カメラで遠隔地に転送される。
受験会場には何も持ち込めない。ポケットの中は空にするように言われる。身体検査まではしないが、テストの様子はWebカメラを通じてリモート監視されているので不正はしないほうがいい。身分証明書を持ち込んで入室するように指示されるが、机の上に何も置いてはいけないという。中には厳しくチェックする監督もいるらしい。特に女性はポケットがついている服装が望ましい。
携帯電話の電源を切り、所持品をロッカーに預けたら、終了までロッカーの鍵を開けることができない。トイレ休憩は許可されているが、持参した飲み物を飲むこともできない。受験会場のそばに自動販売機があったとしても、お金はロッカーの中である。わたしは2時間半ぶっ通しでテストに取り組むことにしたが、おなかが鳴らないよう、会場入りの直前にパンを食べてトイレに行った。本来の持ち時間は240分だが最後までいるのは大変だ。
受験は日本語で受けられるが、一部のガイダンスは英語である。遠隔地にいる監督とオンラインチャットができるが、日本語と英語が入り混じった状態で入ってくる。両手を机の上におけという指示がちょくちょく英語であった。返事はせず無視した。
設問は問題集で慣れていたが、Unicodeのため漢字が中国フォントになっていてやたら気になる。仮名が細く、漢字が太い。強調している個所は仮名は太文字だが、漢字は太い別のフォントになっている。きわめて紛らわしい。日本でテストを開催するなら、テスト業者のPSIはきちんと日本語対応してほしい。
150問答えた後、アンケートに答えてテストは終了。その場で合否がわかるが、画面に表示された内容はしっかり覚えておこう。会場で控えを渡されることはない。10日後にメールが来るのを待とう。