サービス時間の見直し

コンビニエンスストアの多くは24時間営業している。夜中も電気をつけっぱなしで社内的に無駄ではないかという議論がある。路上に面したガラス張りの店舗を閉めると防犯コストが上がるというが、深夜勤務のアルバイトをすでに雇っているわけだからその代わりに警備員を雇えばいい。それが高いというのであれば、店員の時給は安すぎる。
インターネットの世界のサービスはどうか。
金融機関は、最新の残高だけではなく、日次、月次、年間の取引額を集計しなければならない。画面に表示したり税金の計算をしたりするのに必要だからだ。そこで、定期的にまとまった計算処理をしなければならない。膨大な計算処理をしている間に、計算対象の数字が上書きされると処理が面倒なので、利用者が使えないようにすることがある。また、コンピューターを動かしているソフトウェアを変えたり、新しいサービスがうまく動くかどうかのテストをしたりするときには、できれば利用者が使えない状態にできると作業しやすい。

休み方がおかしい

  • 大手証券のひとつが2018年から24時間サービスをやめることを発表した。株の売買を夜中にやりたい人もいるだろうが、すべての証券会社がやらなくてもいいとは思う。24時間連続稼働させなければならないITシステムと、1日数時間は止められるITシステムとでは大きく経費も変わるので、余計な経費を節約して手数料を値下げしてほしい。
  • 週末に時々保守をするネット証券は、インターネットサイトを使うときにポップアップ画面で臨時停止時間帯を表示するが邪魔である。いつも同じ時間帯に休んでくれた方が、保守停止を知らずにアクセスしたときにがっかりしなくてよい。
  • 別の長期投資向けの金融機関のサイトは、週末にしばしば保守停止する。連休のときには連休いっぱいかけて堂々とシステムを止める。長期投資であるならば平日仕事を抱えている人は休日を使って投資プランの見直しなどをゆっくり考えたい人は少なくないはずだ。平日にしか来ないでくださいという主義を採るのはおかしい。日本にコンビニができてからというものの、日本人は平日に定休日を設けることに躊躇しているところがあると思うが、人件費の高い深夜・休日を避けて、平日日中に保守作業してほしい。
  • FXの取引では、アメリカの外国為替市場が開いている深夜こそが利用者にとっての本番であり、夜中は止められない。あるFX会社はさすがに夜中に止めることはしないが、日本時刻の土曜朝、アメリカの金曜の市場が閉じると同時にメンテナンスに入ってしまう。利用者はその日の取引結果を確認したいと思うだろうが、取引終了とともに何もできなくなってしまう。土日は市場は開かないのに、なぜ焦って締め出さなければならないのか不思議である。朝10時くらいまでは使わせてもらってもいいと思う。さらに、月曜朝の取引開始までアクセスできないようにしていることもある。FX会社は投資家が取引するためのニュース情報も提供している。それらの情報には集計はないので表示してくれればいいだけなのだが、それも見せてくれない。朝7時から取引が開始できるなら、その週の取引方針を考えるために6時くらいから情報だけでも読ませてほしいと思うのだが、お断り。FX会社ではないが、Yahoo! Japanは早朝から情報提供をしている。本当に投資家がアクセスしたいのはいつかをよく理解している。

利用者の声を今一度聞いてほしい

いたずらにサービス時間を伸ばす必要はない。働き方改革も重要なので、コンピューターを保守する人にも余裕を持って作業をしてもらいたいが、いつ動かしていつ止めるべきかは今一度、利用者の声を聞いたほうがいいと思う。保守を告知するページにアクセスした件数を分析したほうがよい。