北陸新幹線の最速列車「かがやき」JRに新潟県停車を知事が要請

2014年09月12日各紙報道。

泉田知事は会談後、記者団に「沿線のブランド力を上げるには速い列車が止まることが大事だ」と強調した。

本人もわかっているとは思うが、念のために指摘しておくと、ブランド力が高い街に速い列車が止まるのであって、早い列車が止まるとブランド力が上がるわけではない。ましてや沿線を「周辺市町村」と定義するならば、ブランド力との関係は認められない。間違った認識のままJRと交渉しても何も変わらない。
具体的な交渉内容は知らないけれど、本庄早稲田くりこま高原のように一日数千人の駅にはしない策がすでにある、というのであればまだわかるが、各駅停車しか来なければ数千人になってしまうということであれば話にならない。航空便の搭乗率補償のようなことをしなければJRだけでなく誰も聞く耳を持たない。
沿線に出資させる際に、優等列車の取扱いを決めておかなかったのが悪いし、出資しておいて何ら決定権を留保しておかなかった自治体も悪い。ましてやダイヤ策定段階になってこんな申し入れをしているのは遅すぎる。県民にとっては税金の無駄遣いである。
負担したのにかがやきが止まらない新潟県には気の毒だが、新幹線によって発展するということは今後一切ないということがわかってよかったのではないか。今後、福井県や四国各県が「今度は自分たちの番だ」と勘違いしまうと困る。やがては在来線を高規格化していくことは必要だと思うが、今までの特急が末端で各駅停車しているような形ではなく、中核都市間を結ぶ形に変えていくべきである。
沿線軽視ではない。中核都市の競争力を維持しないと、その路線自体が死んでしまうのではないか。

停車パターンを考える

大都市間に新幹線が開通する。
X県は中間県であるが優等種別を停車させたい。
X県に対し便宜を図るにはどのような停車パターンがあるか。

  • X県中間駅に停車、他県の中間駅は通過

東海道新幹線が一部そのようなひかりを運行しているが、それなりに需要があるからである。このパターンを採用するならば、他県は通過するがX県は停車する魅力を鉄道運営者に証明しなければならない。

  • 起点から途中までは速達、その先は各駅停車

地方の在来線特急に、途中から各駅停車になるものがある。それは特急型車輌で走っているだけで、実質は特急の途中駅打ち切りである。中間駅にみんな止めるというのは終点のブランド低下と、それに伴う北陸新幹線の減便を誘うだけである。

  • 一日1本だけ、なぜかX県中間駅に停車

1本だけ止めるから勘弁してくれ、というのが一番妥協しやすいパターンであるが、その1本をどの時間帯にするかが悩みどころ。X県が目的地の人よりも、X県の在住者が起点に行くというのがイメージしやすい。でも始発便や最終便は起点や終点にとっても一番速く走りたい時間帯である。
普通想定しうるパターンはいずれも無理があり、停車を求める側からも具体的な案を提示しにくいのではないか。つまり、JRよなんとかしろ、ということになりがちである。