電子マネーが進める1円単位

この前、コンビニで買い物をしたら値段が1,900円ちょうどだった。なんとなく気持ちがよかった。
10円単位、100円単位の価格政策は、支払いの時の手間をなくし、わかりやすいイメージを与える。
一方、増税のときはなるべく納税感がない方がよい。
消費税の導入で一時期1円単位の郵便料金が導入されたが、郵便自体が衰退時期を迎えていたのでさほど批判されなかった。値上げの時にいったん10円単位に改定され、そして今回の2014年4月増税で再び1円単位となる。
ICカード乗車券によって、首都圏の鉄道・バスは1円単位の設定を試みる。窓口では10円単位でしか扱わないそうだが、得上げ幅は最低限に抑えられる。
5%から8%へ変わるときの方法は大企業の方針は伝わってくるようになってきたが、8%から10%へ変わる方法はどうなるのか。今回は消費税値上げ間隔が短いという史上初の事例である。のりものなど認可運賃の場合、現在の料金÷105×110をするのか、新料金÷108×110をするのか。IC運賃・きっぷ運賃の二重価格制にしてしまった会社では、双方で新運賃を算出するとIC運賃ときっぷ運賃の格差が広がっていくので次回はどうやって算出するつもりなのだろうか。
1円単位の価格が、食品・雑貨小売でも受け入れられるようになるだろう。電子マネーであれば一円玉や五円玉の手間はない。
8%→10%の際に総額表示に戻して10円単位の価格に見直すという考え方がある。ただし今回10%増税まで成功してしまえば次の増税法案はすぐに出てくるものと思われる。だから、いったん端数を切ったつもりになってもまたずれが生じる。
たぶん、247円とか、379円といった1円単位表示が主流になっていくのではないかと思う。本体価格が前の税率の時はいくらで、将来どうなるのかわかりにくいが、それが売る側にとっては都合がいいのである。そもそも、価格構成の中には包装代とか輸送費とか人件費とかいろいろあるのに、納税費だけ気にしても仕方がないように思う。