ごみ袋:価格変更せず「買いだめ不要」千葉市長がツイート

2014年03月13日毎日新聞
この市では、45、30、20、10リットルの4種類の可燃ごみ指定袋が売られている。どの袋も1リットル0.8円で値段が決められているが45リットルだけが品薄になっているという。それに対して

(市担当者は)「損得に関係はないはずだが、特大がより『割安』と考える人が多いようだ」と指摘する。

と書かれている。また、消費税前の駆け込みを示唆するものとなっている。

市民を馬鹿にするな。

市民が計算できない、もしくは計算しないと思っているのか。45リットルだけが売れている理由を本当に理解できないのか。
例えば、ある家庭は40リットルのごみが出ると仮定する。市は週2回収集するが、単純に1回あたり、40÷2すなわち20リットルのごみが2回出るわけではない。

  1. 一週間は7日あるので、4日分と3日分となる。
  2. 多くの家庭は平日と休日とでごみの出る量が変わる*1

よって、例えば25リットルと15リットルというようにばらつきがでる。
千葉市可燃ごみ処理業務の利用者負担を進めるために袋の単価を上げた。そして、ごみ袋自体の料金は増税前後で変わらないとしても、家計全体で節約志向が高まっている。そんなとき、

  • 20リットルの袋だけを使う → ごみが多い日は、ごみ箱から腐らないごみだけを取り出して次回に振り分けるなど、手間がかかる。あるいは1回2袋になってしまい、不経済。
  • 20リットルと30リットルの袋を使う → 2種類の袋を買ったり使い分けたりするのは面倒。
  • 30リットルの袋だけを使う → ごみが少ない日は、ごみ袋が大きすぎる。

ということで、45リットルにした方が面倒ではないし、上記3案と比べて経済性でも概ね悪くない。つまり、ごみ袋を集約しようとしているのである。1回あたり2袋出していた家は1袋へ、1袋出していた家は週1回だけ出すように工夫したのである。
また、がんばって詰め込もうと考える人は大きい袋の方が余分に入れやすい点に着目しているはずだ。損得に関係ない「はず」と軽はずみな指摘をしてしまった方は、本当に自分でごみを出しているのだろうか。ごみの担当者だから集めることには詳しいかもしれないが、自分の家でごみを出すのとは感覚が違う。もしくはスーパーや駄菓子屋で袋詰め放題の売り場に行ったことがないセレブさんなのだろうか。
1回あたりの差を考慮した集約、そして、無理矢理詰め込むことの両方を考慮すると、1回あたりのごみ排出量が20〜30リットルあたりから、50リットル程度まで幅広い範囲を45リットル袋がカバーしてしまっているのである。1回15リットルクラスは20リットルもしくは30リットルの袋がいいだろうし、50リットルを超えると30リットル袋を2枚使う方が戸外に持ち出しやすくなる。一方、もともと45リットルを好む人は他の袋を使おうという考えには至らない。値上げ前のごみ袋を分析して袋の大きさの品揃えや出荷量が決められているのだと思うが、値上げ後の心理変化をとらえないと確実に45リットルは不足する。
ごみ袋が大幅値上げということで、袋の選択をどうすべきかは各家庭で十分シミュレーションされていると思われる。1リットル0.8円で決められていることも、自分で計算していると思う。中には大きい方が価格設定上有利と考えたり、増税前が得と考える人もいたかもしれないけれど、45リットルだけが売り切れてしまう現象を説明するのは不十分だと思う。
時期が経てば、痛税感が薄れる。また、夏場はあまりごみをためたがらないので、小さい袋もそのうち売れ出すと思われる。

*1:家によっては休日が多かったり、逆に休日が少なかったりする