法令遵守

郷原弁護士が、コンプライアンスは法令さえ守ればいいというものではなくもともと社会の要請に応えることだと言っている。そうだと思う。
少し外れるかもしれないが、裁判所は社会の要請に応えてきたのだろうか。司法は法に基づく判断をしていく組織であるが、原発訴訟で行ってきた判断は社会に役立ったのだろうか。
事故を懸念する原告の主張は一方的に退けられた。今年の地震が起こる前の段階で即刻発電禁止の命令を出すことはできなかったかもしれないが、是正勧告や改善命令を出すべきだったのかもしれない。普通の組織であればここまで要求するのは酷であるが、司法は絶大な権力を持つ期間であるから、それなりに責任を取ってほしい。
そもそも、裁判所が守っている法とは何なのだろう。人や社会を守る組織であってほしいのだが。
裁判所は法のみを判断基準とするからいいのであって、裁判所が人や社会の幸せや、あるいは正義といった抽象的なものを意識してはいけないという考え方もある。でも、そうであれば社会の安定や秩序に対しては肩入れしすぎではないか。国政選挙の一票の格差問題に選挙無効の判決を出したら、社会が混乱すると勝手に決めつけてはいないだろうか。
司法改革は必要だったのに、実際に行われたのはなぜか裁判員裁判。第二次司法改革が必要ですね。