ワンタイムパスワード用ハードウェアトークン

 いくつかの個人向け金融機関が、ワンタイムパスワードを採用するようになってきた。同じ日の到着を狙ったわけではないが自宅のポストに2つもハードウェアトークンが入っていた。そのうち1社は頼みもしないのに「切り替えました」とか言って勝手に送られてきた。
 トークンは、一定周期でパスワードを生成して表示させる小型の機械である。重要な取引をインターネットで実現するとき、使い捨てのパスワードを使うことで高い安全性が期待できるとされていいる。昔はひとりひとりのエンドユーザーに配れるような値段ではなかったが、安くなってきたのだろう。伝統的な店舗型銀行や証券で配るようなお皿やティッシュよりは高いと思うが。
 1社は郵便でもう1社はメール便だったが、高価な機械なのに配達証明やセキュリティ便にはなっていなかった。本人確認でどのみち書類も配達証明等で送らなければならず、それがなければ口座は使えないようになっているから、盗まれても口座の安全上は問題ないということのだろうか。ある銀行は、本人確認郵便の到着を確認してメール便を出している。提出を受けた本人確認書類と同じ住所を使っているから住所は正確であることはわかっている。正確な住所への配達はかなり配達自己や盗難が少ないと考えているのだろう。原価が高い機械よりも、情報が書かれている紙の方をコストをかけて保護しようとしているのは、情報に価値がある情報化社会、個人情報保護社会を象徴していると思う。
 ネットの画面や2通来る封書にはいろいろな紙が入っているが、どうしてみんな体裁が違うのだろうか。ワンタイムパスワードの仕組みを顧客に提供するためには、Webサイトの構築ベンダー、説明書の印刷会社、ハードウェアトークンの製造業者など、いろいろな業者が介在しているのが原因であるが、1社がまとめて説明書類とWebサイトのレイアウトをデザインするべきだった。ワンタイムパスワードを有効にするにはID、パスワードの他にも仮IDや仮番号などいろいろな文字列を使い分けなければならない。**番号は赤い文字、**IDは青い文字などと書式を統一してくれるだけでもずいぶんわかりやすくなるので、改善してほしい。