映像広告

 Gyaoインターネットテレビが無料だというので見たら、CMがついていました。Windows Media Playerを使って、

ビデオのように早送りができない仕組み

になっています。地上派民放のビジネス・モデルが崩れると、今後のCMはこのように提供されるのでしょう。
 しかしこれを見て思い出したのが、映画館における映画上映前のCMです。テレビのCMは当たり前になっているので流れていることに不満はありませんが、映画やインターネットテレビのCMは、

早く終わってくれ、くどい、じゃまだ

という気にさせられます。果たして企業好感度向上や購買行動につながっているのでしょうか。
 テレビは、同じ時間帯に、なにげなく、毎週繰り返し見ることでCM認知度を上げますが、インターネットの場合は1回しか同じコンテンツは見ないかもしれません。また、定期的に見るという視聴形態ではありません。毎週1回更新される場合、熱心な人は更新直後に見るからほぼ定期的一定間隔になりますが、バックナンバーをまとめて見る人もいます。 いつ、どんな気分のときに、どんなことをしながら見てもいいのです。広告主は、どのようにターゲットを絞るのでしょう。
 視聴者は特定のコンテンツに絞って見ていますが、それ以外には共通点がありません。歯を磨きながら見ているかもしれません、仕事中こっそり見ているかもしれません、あるいはゲームしながらかもしれません。テレビは流れっぱなしの状態でたまたま見るということもあるが、テレビ以外のメディアではそういう形はあまり望めません。
 きっと、15秒スポットや30秒スポットでは、メッセージ性の強いCMや、最初から最後まで通して見ないとオチがわからないCMは、はやらないでしょう。有名芸能人をアップで出したり、短時間のインパクトを狙うものが増えるのではないでしょうか。
 CMもまたコンテンツの一部であると視聴者に誤解させる技も進化するでしょう。コンテンツの中に入れる広告、コンテンツと同じキャストが出演するCM、ストーリー性を持たせた長めのCMなどが考えられます。ただし、スポンサーの意向で、本来のコンテンツがスポンサー寄りにねじ曲げられたと思われてもいけません。また、シリアスなドラマの間に、主演者がおどけて見せるCMを流し、雰囲気をぶち壊しにしたテレビもありました。なかなか難しいものです。
 例えば、15秒スポットの、最後の2秒だけ微妙に違うバージョンをたくさん作ります。出演する俳優に言わせるコメントをちょっとずつ変える、というような工夫をします。出演者のファンであれば、お菓子のおまけのように、全パターン見ようとしてコンテンツを見漁る人も出てくるでしょう。シリーズもののコンテンツをまとめて見る人にとっても、毎回微妙に広告が変わるので、同じスポンサーのCMが続いても飽きないでしょう。