間違いだらけ

 2005年6月13日のTVタックルは個人情報保護だった。
 テレビだから精緻な議論を期待することはできないが、それでも突っ込まざるを得ない。

  • 個人情報の定義が明確ではないから名簿の取引を取り締まれない

→法に定められた個人情報の定義は明確である。ところが、厳密に適用してしまうと、世の中でビジネスをやっている人の多くが違反になってしまう。一般道の40km/h速度制限や駐車禁止みたいなものだ。本音と建前が使い分けられている。名簿屋の暗躍に対してはみせしめ摘発を数件行えばやがてやらなくなるだろうが、名簿屋業界には所管官庁が存在しないから誰も摘発主体にならない。警察が乗り出せば「公権力の濫用だ」と批判される。だから誰も取り締まらない。

  • まずは個人情報を悪用した犯罪を考えなければならない

紀藤弁護士のご活躍は理解できるが、個人情報保護法は犯罪取締法ではないし所管官庁の振舞い方を決めた法だから悪徳商法や名簿売買には何ら効力がない。そもそも、個人情報保護とプライバシー保護は似て非なる分野である*1

→確かに、総務省住基ネット地方自治体への交付金を減らすためだと言っている。ところが行政機関が導入したITシステムでは人減らしを行えたためしがない。たとえば住基カードの発行を請求しに行くと、市区町村役場の窓口の人では対応できず、どこかで研修を受けていた別の係員が出てきて応対したり、証明書生成の権限を持った課長代理がさらに出てきたりとか、とっかえひっかえいろいろな人が出てくる。わからないことは電話をしているから電話の向こうにも誰かがいるはずだし、むしろ人が増えているではないか。人を減らすなら、電子申請の普及を待つまでもなく、まず窓口係員の人減らしに直接効くことをしなければならない。具体的には都市銀行消費者金融が設置している無人窓口がいいだろう。人は窓口教育を受けた人が一箇所のコールセンターに常駐する。コールセンターは主要都市に1つでよい*2地方自治法を改正して各地方自治体はコールセンターに窓口業務をアウト・ソーシングする。市区町村役場や支分所ではひとりで対応できるようにする。

ちなみに、
再犯者情報の公開は大変よい解説だった。さすが警察出身の平沢議員はご専門のことだけある。

*1:醤油とソースのようなものである。目玉焼きのようにどちらでもいいものもあるが、使い分けが必要

*2:北海道、東北、関東、、など道州単位