お前は誰だ

 あるインターネット・サイトで買い物をした。インターネットの業者は海千山千だが、今回の相手は誰でも名前を知っている企業が資本参加している大手である。
 この業者からは会員登録から商品配達通知まで5通のメールをもらった。メール・ソフトで送信者を確認すると、

front
info1
info1
info2
info2@(通販会社のドメイン名)

と4種類もある。
 インターネットのルールとして問題があるわけではないが、普通、買い物をする人はひとつの法人とやりとりをしているつもりでいるのだから、サーバー名ごとに4つもの名前を使い分けないでほしい。
 送信しているのはサーバーだから、サーバー名をつければいいという勘違いをしているようだ。しかし、わたしはフロントさんやインフォさんとおつきあいしているつもりはない。
 差出人名がなぞめいた手紙を送ってくるのは、普通は*1人に見られたくない手紙や小包を送ってくれる業者くらいなものである。わたしは日用雑貨を買っただけである。
 お客さまに届くメールを、ITシステムの調達者、すなわち通販業者の人間がチェックしていないということもわかってくる。あるいはシステムの開発者から「メール・サーバーの設定上仕方がないのですよ」あるいは「メールの送信者は信用できませんから、誰もこんなところ見ていませんよ*2」と丸め込まれでもしただろうか。
 いろいろ想像はわいてくる。info2とinfo2@(通販会社のドメイン名)にいたっては、設計書は「info2にしましょう」と言っているのに、どちらかのサーバーの設定者が指示通りにやっていないことがばればれで、例えばこういう会社のサーバーではセキュリティーの設定が計画通りできているのかと不安になったりもする。

*1:紙の手紙、インターネットのメールにかかわらず

*2:署名なしで送られるメールの送信者欄について、信頼性が低いのは事実だが、だからといって送信者欄で検索や並び替えを行う権利を奪うことはないだろう