並びたくない

税務署の駐車場に入庫待ちの渋滞ができていた。近くのラーメン屋の駐車場はいっぱいだった。肝心のラーメン店はいつものようにがらがらだったようだ。自分が並ぶわけではないのに、行列を見るだけで気が滅入る。
確定申告の作業は若干手間がかかるが、e-taxにすれば1月には終えられる。申告開始は2月だが1月に送信しても問題なく受理してもらえる。どうして税務署に並びたがるのかさっぱりわからない。パソコン作業は準備や習得が面倒だということなのだろうが、並ぶ時間があったら覚えたらいいのではないか。毎年のことなのだし。
東京圏では通勤客向けの着席サービスの拡充が続く。並ばなくてよいというのは非常にありがたいことだ。
個人開業のクリニックでもインターネットで予約ができるようになってきている。特に冬場の内科、耳鼻科、小児科は、薬をもらいに行くためにわざわざ他の患者から病気をもらいに行くようなもので、会計待ちや処方箋電送受付なども一部では始まっているが、近所の医院で実施しているとは限らないのでもっと関連産業の営業はがんばってほしい。
先日、つけ麺の店で久しぶりに並んだ。最近、並んでまで食べたいと思うものがない。一緒に食べた人が並びたいと言うので並ぶことになったが、狭い店内で気をつけのような状態で荷物を持ったまま待たされるのは何の罰ゲームだろうかと思った。食べたものは確かにおいしいのではあるが、目隠しをしてコンビニで売っているつけ麺と食べ比べしたとしたら識別できる自信がない。そして食べ終わって後ろを振り返ると、もう誰も並んでいない。このとき来れば同じ値段同じ味のものを時間を捨てずに食べられたのではないかと思うと残念でならない。
みんな忙しくて、並ばなくなると思う。アマゾンドットコムが小売に大きな衝撃を与え続けているが、彼らは、消費者が買い物に出かけて駐車場やレジに並ぶ負荷を宅配業者の配送負荷に転嫁したところをわたしは評価している。しかし、配送しても不在で持ち帰る負荷が発生し、配達時刻が不安定になって消費者が宅配を待たされる負荷となって結局消費者の待たされは解消しないため、新たなイノベーションを必要としている。
行列に商機ありである。