忘れられないあれの感触

 さっきバスに乗っていたときのこと。乗った当初は大変混んでいた。入口近くで立っていたら、おじいさんがわたしの真上のつり革をつかんできた。最近のバスは床が低いので、つり革がとても高い位置に付いていることがある。
 普通、つり革をつかんで揺られると、体の重心はつり革の真下にくる。どうしてそんな単純なことがわからず、つり革を選んでしまうのだろうか。混んでいる車内では、体の置き場所よりもまず自分が確実につかまれる場所を最初に探すべきなのである。小学校の校庭や児童公園にある「うんてい」のように進むべきなのである。体よりも先に手の置き場所を見つけてから前に進む。つかまる場所を探さずに立ち止まってしまうと、あとで他人の縄張りにあるつり革や手すりにつかまざるを得なくなる。つり革や手すりは、自分の真上にあるものを選んでほしい(特に背の高い者、ちゃんと読んでおけ!)。
 おじいさんがわたしの体を抱え込む形になった。官能小説風にするのは本望ではないが、体を執拗なまでに押しつけてくる。

わたしはあんたとラブラブしたくない!

 わたしには反省すべき点がある。こうなることはわかっているので、普通は使わなくてもドアが閉まって発車するまで真上のつり革はキープすべきなのであるが、その日はR25を読みたかった*1ので両手がふさがっていたのだった。
 最初は我慢していたが、精神的に耐えきれなくなって体を横にずらした。おじいさんは踏ん張っている体力がなかったのだろう。故意ではないと好意的に理解しておく。
 題名については、特に解説しない。

*1:昨日探し当てましたが、祝日だったので移動のときまで読まずにおいておきました