好みの変化

 最近、好きだった作家の本を読むのが億劫になってきた。
 新しい本が出たが、どうも文字を読むとくらくらする。
 その人の著書が難しく、つまらないものになったのだろうか。それとも自分が読書に向かう気力と集中力を失ってしまったのだろうか。
 本屋で手にとって、一度は買うのをやめようかとも思ったが、また買いたいと思ったとき、再び本屋で本を探すのが億劫なのでその場で買うことにした。


 先日は、昔勉強したときの本を売った。20冊くらい持っていって、15分待っていたら、ブックオフは1,500円の価値をつけた。実は、たまたままぎれていた漫画の文庫本にいちばん高い単価がついた。
 「お待ちの間、店内をご覧ください」と言われて、立ち読みしてみた。タイトルには気持ちが反応するものの、開いてみると2ページくらいで飽きてしまう。読む作業ではなく、誰かの意見を頭に入れるところで回路が詰まっているような、そんな違和感を感じた。そして、今では何を読んだか覚えていない。仕方がないので、DVDやゲーム売り場も見ているが、そこではたまたま買いたいものがなかった。
 読みたいと思って買った本や、興味を持ったのに読まなかった本。たまたま今このときに本との縁がなかっただけなのだろうか。それとも、わたしは本に嫌われてしまったのだろうか。

 とりあえずここに、新しいブックカバーがかかった、新しい本がある。会計が混んでいたので、店員が作った折り目が若干雑である。この本といい付き合いができるだろうか。