Canon PowerShot V10 レビュー

結論から書くと、GoProでよかったかもしれない。
日本メーカーもポケットサイズデジタルカメラをもうちょっとがんばってほしいなあ。

Canon PowerShot V10
personal.canon.jp

1.0型CMOSセンサーを搭載しながら約211gの軽量なポケットサイズ。広角19mmで高音質大口径なマイクを搭載し、操作しやすいUIデザインで気軽に本格的な動画撮影が可能。

通勤電車の車内広告で見かけた。
見ているうちに欲しくなったので購入した。

基本仕様は悪くないと思う。
ポケットに入れて持ち歩ける大きさ。
画質はビビットであるがきれいだし、外付けカメラなしでも音もよく取れている。

このカメラはズームができない。
ただ、個人的にはコンパクトカメラのズーム機能を使いこなせたことがない。
静止画では何倍がいいんだろうって悩んでしまう。
動画ではズームすることに夢中になってぶれてしまう。メカニカルにレンズを動かす音が動画の音声に入ってしまう機種もあった。
だから、思い切って、倍率固定でいいのではないかと思う。
よって、この点についても文句はない。むしろ、できない方がいい。
近くの人物を撮るか、遠くの風景を撮るかの2択。
この製品はVlogカメラだとしているので、それでよい。

ただ、問題点がいくつかある。

1.
熱に弱い。

電源を投入したときに、警告が現れる。

起動時の警告

カメラ内部の温度上昇により、
途中で電源が切れる可能性のある
設定です

この警告が消えるまで、撮影の準備や開始ができない。
そして、夏の屋外では実際に電源が切れてしまう。
4K動画を夏に撮れないなら買う前に言ってほしいんだよね。

2.
クラウドが使いにくい。

4K動画もクラウドにバックアップを撮ってくれるのはいいと思っていた。
家にいるときは自宅のパソコンで処理した方が手っ取り早い。
それでもネットを使う価値は、連泊するときだ。
もしカメラやSDカードをなくしても、ネットにオリジナル画質(非圧縮)の動画と静止画のバックアップが自動で撮られるのであれば、前日までの記録が救える。
そんなことを期待した。

宿泊先に着いた後、無線LANにつないで、その日1日撮った動画と静止画をインターネットで送信した。
開始しても画面がずっと動かないので、固まっていないか心配になった。
それでも、一晩放置したら終わっていた。
時間がかかるのは仕方がない。

しかし、不思議だったのはUSB-Cで給電していたにもかかわらず、電池の残量がほとんどなかったこと。
撮影中は画面上の表示で1目盛り減った程度だったので、コンパクトなのに優秀だと思っていた。
ところが、USBケーブルでつないでいる間に電池残量がなくなってしまった。

初めてこの現象を見た時には、持ち歩いているうちに電池が劣化したのではないかと心配した。
送信を終えて1回電源を切り、USBケーブルをつなぎ直したら充電できた。

電源投入中は、ケーブルにつないでも充電されないのは仕様らしい。
本体への給電と、内蔵電池への充電を同時にやると熱処理が難しいからだろうか。
しかし、どうして電池の残量まで使い切ったのか。
理由がよくわからない。

ちなみに、家に持ち帰った後、大型テレビで4K動画を見ようと思った。
SDカードを本体から外して、PanasonicVIERAに挿して転送したら30分かかった。
40GB以上あったから。
ローカルでも30分かかるものをクラウドで送るのは無謀だなと思った。

移動中に動画をバックアップするのは今後やめておいた方がよさそうである。
よく調べたら、静止画だけを選んで転送することができる。
静止画だけなら使えるかもしれない。

3.
静止画と動画の切り替えが面倒

例えばGoogle Pixelであれば、動画撮影中に静止画を撮ることができる。
しかし、PowerShot V10の場合は、切り替えが必要だ。
1. 動画を止める
2. 画面の右上のビデオカメラボタンを押す
3. 撮影モード設定画面になったら、スチールカメラのアイコンを押す
Vlogカメラだから、静止画機能はおまけなのかもしれない。

4.
文字が細かい

「操作しやすいUIデザイン」:誰だ、そんなことを言っているのは?
目の悪い人には厳しいと思う。