2013年に買ったVAIO。5年でSSDを換装したが、そのSSDも他の機器で使っていた使いまわしだった。
そして2020年後半になり、今度は冷却ファンが大きな音を出すようになった。気になって作業に集中できない。
VAIO tap 20は10点タッチが可能な画面はWindows 8で普及段階に入ったタッチスクリーン機能をテーブルで利用できるようにした機種だが、ソニーが用意したタッチスクリーン対応ソフトウェアはもっさりしていて使いにくかった。ポップアップの「はい」を押したり、ブラウザをスマートフォンのように使うときには役立つが、その程度である。
ソニーはVAIO事業を切り離し、tap 20のような製品はマイナーチェンジの21の後、出ることがなかった。
寂しいが、別れの時期が近づいているようだ。まずは、このPCで行っていた仕事を片付けた。今、たいていのことはスマートフォンでできるようになっていたが、PCの周辺機器を使わなければできない作業も若干残っている。
次に、機器内に残っているファイルをファイルサーバーやクラウドに退避した。数年前にSSD換装をした際に、容量の小さいものを使っていた。Microsoftも、Windowsの利用者に対してなるべく自社のクラウドを使うように仕向けている。大掛かりな引っ越しが必要なファイルは残っていなかった。
さて、これで、いつ壊れても大丈夫だ。PCの買い替えを考えよう。
一体型PCを探す
現在のVAIOが、タブレットを大きくしたような製品で、デスクトップのような使い方をしながらもタッチスクリーンが使えて便利であった。あまり家の中で持ち運ぶことはないと思われるが、配線がごちゃごちゃしない一体型がいいなと思った。
ネットでの評判を調べると2020〜21年時点ではhpとDELLくらいしか選択肢がない。Lenovoは機種が少ない。富士通、NECもよさそうだが、いらないソフトウェアをたくさん入れる慣習を改めようとしない。お金があればMacやMicrosoftを買いたいところだけれど。
コストパフォマンスがいいのはHPという評価を多く読んだが、在庫がないのに注文を受け付けて購入者を放置するという悪い噂で持ちきりであった。直販サイトの評価は5点満点で1点台。納期を確認するボットを作ったようだが、HPがすべきなのはサポートセンターの電話コール数削減ではなく、納品できない商品は売らないということである。納品できなくてもとりあえず売上を立てなければならないのはグローバル企業である日本法人の悲しい性かもしれないが、このままでは消費者庁の出番が来るかもしれない。
それでもHPの魅力は捨てがたいので、在庫一掃製品から選ぶことにした。値下げ幅が低い新製品を選んでも良かったのだが、納品される頃には新製品ではなくなってしまうようなので、型落ちで十分だ。5営業日で届くということなので、期待して待つことにする。即納モデルでも納期を先延ばしされたという話も読んだ*1し、総合通販に出店している小売店の掲載も納期表示もあまりにもいい加減なので、心配ではある。
ところが、5営業日納品の対象になっていたのは高級モデルで、税込みで30万円を超える。また、消費電力がとても高いようだ。それであればデスクトップが2台買えてしまう。HPの一体型を買うのはあきらめることにした。
ノートPCをモニターにつなげる
HPの一体型の何が良かったか。
- 配線がすっきりする。
- テレビチューナーを内蔵している。
- 27型なのに10点タッチスクリーン
- モニターの台座で、スマートフォンの非接触充電ができる。これがあれば机上の充電器をひとつ減らすことができる。
- HDMI入力端子にノートPCをつなげて、セカンドモニターにすることができる。
冷静に考えると、PC本来の性能とは関係ないところばかりである。非接触充電はどうしてもほしいという機能ではないし、ノートPCを2画面にするならUSB-Cケーブル一本で給電とビデオ接続の両方ができたほうが便利である。モバイルPCとの接続では配線が前に出てしまうため、机の上をすっきりさせるため、高価な一体型にするよりPD給電を優先させることにした。
外付けモニターでタッチスクリーンに対応させるのは極めて難しい。ChromebookやノートPCはタッチスクリーン対応を持っているので、タッチが必要な作業はそれらでやることにしよう。
一般的には、PD給電できる機種はフルハイビジョン止まりで、4KモニターになってしまうとUSB-C対応のものはあってもPD給電には対応していないものにしかほとんど見当たらない。ちなみに別にモバイルPCと4Kのモバイルモニターを持っているのでUSB-C接続をしてみると、PCが高負荷に耐えられず不安定になっているように見える。4KはHDMIなどでつなぐのが無難なようである。
見つけたのはBenQのPD2705Qと、Dell U2721である。少し大きめの27インチに、少し解像度を増やしたQHD(2,560×1,440ピクセル)の非光沢液晶画面を持つ。DellはEthernetがつながるのが魅力であるが、値段が1万円以上高い。
非公式ではあるが、モニター内蔵のUSBハブに、USB接続のEthernetアダプターを付ければ、Ethernet LANをつなげられるようだ。アダプターは少し不格好ではあるが背面なので気にしない。
よって、BenQを選ぶことにした。
動画性能は高くないようだが、動画はあまり見ないので個人的には問題ない。
デスクトップパソコンとモバイルPCを2画面表示にできる機能、USBハブを内蔵し、どちらかのPCに周辺機器を切り替えられる機能が魅力である。
コンパクトデスクトップ
VAIOにする前はデスクトップを使用していた。ノート型の可搬性はChromebookとスマートフォンで間に合っているため、机で使うのはデスクトップにする。
モバイル用のCPUは電池を長持ちさせるため、利用者が見えないところで勝手に性能を落とす。電源がないところでも使えるのはいいが、高い負荷を与えるとファンが激しく稼動する。時速100キロ程度でしか走れなくても排気量の多いエンジンを積みたがるのと同じ発想で、CPUも固定で使うならCPUに余裕があった方がいいだろう。
HPの5営業日モデルに、 Pavilion Wave 600という省スペースデスクトップがあった。
昔であれば、デスクトップPCは直方体と決まっていたが、今は様々な形のものがある。
このPCは三角錐の形で、部品を別に買ってきて筐体の内部に付け足すのは難しそうだが、今はUSBで機能拡張することがほとんどなので、問題ない。なお、古い規格の周辺機器をつなぎたいならばエプソンダイレクトのBTOを利用するのがよさそうである。
本体にスピーカーが内蔵されている。スマートスピーカーとして使うこともできる。HPは本体を部屋の中の好きな場所において良いとしている。キーボードとマウスはワイヤレスなので、ビデオのケーブルさえ長ければ自由度は高い。今はVAIOの騒音に悩まされているので、ファンは遠いところにあった方がいいかもしれない。
先にHPのことを悪く書いたが、本当に納期延長があるのか試してみたい気持ちになってきたので、購入を決断した。
サポートを考えるとモニターと本体は同じブランドにしておいた方が初心者は無難だが、プロジェクターが普及したあたりから他のメーカーにつなげるのは当たり前になっているので問題ない。
Windows Hello対応にする
スピーカーがあるなら、マイクやWebカメラも付けたい。ただしこれらはケーブルを増やしかねないし、細くて長いケーブルが使われることが多く、絡みやすい。
中国のメーカーだが、Windows Hello対応かつマイクの機能がついたWebカメラがあるというのでそれをモニターに設置してみる。
Windows Helloには指紋もあるが、カメラの場合は顔を向けるだけでサインインされるようである。
Windows Helloは対応カメラの選択肢が少ない。単なるカメラにしては値段が高いが、Windows Helloの有無でPCを選択肢を狭めてしまうことは避けたい。もっと他の周辺機器メーカーにも参入してほしい。
到着が楽しみ
注文を終えた翌朝、電源を入れたらSSD読み込みに失敗し、オペレーティングシステムが起動しなかった。あるいは、サインイン直後に突然電源が落ちたりした。大きな仕事が終わって、もうあとは後継に任せたということか。何度かやったら起動したけれど、起動しない間はファンがうるさくなかったので、たぶん温度異常を検知して、回路を保護するために電源が切れていたのだろう。もうすぐ動かなくなるだろう。おじいさんの古時計の歌が頭をよぎった。
さて、無事に注文の品は届くだろうか。無事に届いてうまく動いたら続編を書くことにする。
PC買い替え つづき - 作文の練習
*1:カスタマイズしたのか、あるいは本当に在庫管理がいい加減なのか