個人データのバックアップ

数年かけて大量に蓄積した個人データ。それを家庭用のNAS製品に保管していた。先日、NASが壊れてとても苦労した。
いくつか課題が見えてきた。

  • データが大きすぎる

デジタルカメラで撮った写真は、そのままディスクに放り込む。デジカメでは動画も撮れるし、テレビ番組なども保存できるようになるから、そのうち1TBを超えるだろう。

  • 大きすぎるゆえ、手動バックアップをできるだけ減らして楽をしたい

できるだけ自動で済ませたい。数時間後もしくは数日後に終わるまで監視していなければならないのは苦痛だ。バックアップ中に「PCがハングアップしていたらどうしよう」「ネットワークが切れているのではないか」「冷房が切れた部屋で熱暴走しているのではないか」とあれこれ心配になる。

  • リストアに時間がかかる

サイズが大きいのでリストアも時間がかかる。

  • 家庭用NASRAIDは使い物にならない

ハードディスクは少しの故障で、保存してあるデータ全体が取り出せなくなるおそれがある。そこでRAIDにすれば、一部が故障してもすぐに全滅することはない。しかし、わたしたちは一部が壊れた状態のディスクからファイルを取り出して復旧させることに慣れていない。また、RAIDの仕組み自体が壊れる可能性もある。すると、確実にデータが取り出せるというわけではない。業務用のRAIDドライブで、バックアップ、リストアのテストをあらかじめ行っているドライブならいいが、家庭ではわざわざ障害発生訓練を行うわけではない。家庭用のNASが悪い製品というわけではないが、「ただちに」壊れる可能性が「低い」ということしか保証してくれていない。それならいっそのこと、RAIDに頼るのではなく、別のドライブにバックアップを取っておいた方がよほど確実である。

  • 災害対策

そもそも家が地震火災水害にあったらデータをあきらめなければならない。

対策

  • NAS間自動バックアップ

BuffaloのNASを2台買って、自動でバックアップを取らせることにした。定時起動で自動的にやってくれるから忘れずに取得できる。もしバックアップ元が壊れたら、バックアップ取得側にネットワークドライブの接続先を切り替えればすぐに使える。そしてもう1台買ってきてバックアップを再開させればよい。バックアップ先が壊れても同様に1台買ってきてバックアップをエラーが発生したらNASからメールをくれるので、しばらく故障に気づかず、2台目も壊れてしまう可能性は減らせそう。
ただ、Buffaloの機能でバックアップを取ると「_backups」という名前のフォルダの下にバックアップが作られる。バックアップという名前は共有フォルダ名に含めてくれればいいのになぜフォルダ名にしてしまうのか。

  • SkyDriveの活用

自宅の災害対策も考えると、クラウドにバックアップを取るのがいいと思った。Windowsとの相性もよく、7GBまで無料なのでMicrosoftのSkyDriveを試しているところである。
PCにアプリケーションを入れるとSkyDriveのフォルダができてPCとクラウドを同期してくれるようになるが、PCのフォルダはローカルフォルダにしかつくることができない。NASもローカルのSkyDriveフォルダに指定できるようにしてほしいと思う。
まだ個人向けクラウドではあまり大規模なセキュリティ事故が起こっていない。企業が本腰を入れるのはセキュリティ事故が起こってからなので、今から大事な書類まで預けるわけにはいかない。まずは写真からやってみることにした。
NASのフォルダを見たら26GBもある。デジカメやビデオカメラで撮影した動画が大きな割合を占める。そこでまず3MB以内のファイルを選択してNASからPC内蔵ディスク内のSkyDriveフォルダにコピー。残念ながら無料の7GBには収まらなかったがとりあえず無料容量を超過した状態でクラウドとの同期を開始してみた。さて、どうなるのか。転送速度がとても遅いのでこれを執筆している段階ではまだ終わっていない。

クラウドサービスの選び方

Microsoftは無料上限を当初25GBとしていたが、7GBに下げた。99.4%のユーザーは7GBに収まっているという。
現在無制限としていたり、大容量を無料としていたりしたとしても将来はどうなるかわからない。そもそも小さい会社ではサービスを続けてもらえるのかどうかもわからない。*1

  1. 今の段階で課金サービスに支払う気があるかどうかはともかく、将来払わざるをえなくなった場合に課金サービスがしっかりしている
  2. セキュリティ事故が発生した時にしらばっくれそうにない
  3. クラウドからのエクスポートが容易、もしくは元データがローカルにある
  4. 期限がない

このような条件がクラウド選びの上では重要である。

*1:はてなはよく続いているなと思う。最近、はてなダイアリーに広告を入れるようになったが何とか生き延びてほしい