ドライブレコーダー

高速道路であおりによる死亡事故が発生し、あおった運転手が逮捕された。そして今、ドライブレコーダーが特需である。わたしも早速購入してみた。
が、
自動車用品店では、人気機種は在庫切れである。選んだのは型落ちとなった。しかも流行りのネット通販よりも数千円も高かった。ただ、わたしにとっては今回は店員の説明を聞けた方がよかった。差額はコンサルティング料だ。これこそがリアル店舗の付加価値だ。
ただ、説明いただいた内容は特殊なことばかりではないので、今後買う人は、この投稿を参考にネット購入していただいてもいいだろう。

自己防衛手段としてのレコーダーの条件

もともと、旅行記録のための品であったが、事件事故の衝撃映像がネット動画で出回るようになり、報道でも使われるようになった。それらを見た人が、自らが事件事故にあったときにも使えるのではないかと期待している。
ただし、1万円以下で売られている格安品や中古品*1はあくまで旅行記録のためのもの。移動中の風景は撮れるかもしれないが、事故の証明としては不十分である。

  • 画質

フルHDあった方がよい

  • 録画時間

通常はマイクロSDカードに保存する。購入時には8、16もしくは32GBのカードが同梱されている。なぜリアルタイムにクラウドや動画サイトに上げてくれる製品がないのだろうかとは思うが、通信不能な場所もあるのでできたとしてもレコーダー内に保存する必要性は変わらない。ちなみに同梱しているカードの容量が小さくても、大きなものに買い換えることはできるが、使用できる規格とサイズを確認してから購入したい。

  • 撮影コマ数

かつては安い機種との区別で重要だった。LED信号機は目に見えない速度で点滅している。撮影コマ数が少ないと信号機の波長と合ってしまい信号の色が記録されないという問題があった。今は多くの機種で波長が合わないように性能を調整している。カタログではフレームレートと書かれている。
なお、性能が悪いSDカードはコマ落ちの原因となるので、SDカードを自分で用意する場合は気をつけたい。Class 10と呼ばれる高性能なカードを選択しなければならないので、PCやカメラに詳しくない人は安くて高性能なSDカードを自分で探すのが難しいと考えられ、最初から同梱されている製品を選んだほうがよい。

  • 衝撃検知

車体が衝撃を受けると、循環録画とは別ファイルにして証拠保全してくれる。

緯度経度、時刻自動補正は証拠として必要。
高級機種はさらにさまざまな機能が付いている。数万円するが、記録するだけでそれだけ必要か、予算と相談して考えたい。後ろも撮影できる機能はありがたい。

駐車監視

走行時の自己防衛だけでなく、駐車時の衝突やいたずら、盗難対策で付ける人もいるだろう。駐車時対策がメインの人もいるかもしれない。ただし、内蔵バッテリーは長く持たない。ショッピングセンターで買い物中程度しか望めない。本格的に1日程度の監視をするなら内蔵バッテリーを充実させるか、車のバッテリーに直接接続して給電するタイプが必要である。ただし、車のバッテリーを使っていると上がってしまう。一軒家の駐車場なら防犯カメラを車に向けて設置して、自宅などから給電すべきだろう。
小型カメラで撮影しているだけなのに、どうしてオプションバッテリーまでつけても12時間程度しか持たないのだろうか。

撮影範囲

前方だけのタイプは配線が容易である。後部にもカメラをつけるタイプや、360度撮れるタイプもある。前方だけよりは後部や360度の方がもちろん情報が増える。

取り付け方法を事前に理解する

買う前に忘れてはいけないのは取り付け方法。実際の取り付けを意識せず、そして実車の下見をせずにネットで買ってしまうのはよろしくない。
まず電気が必要。電池切れを心配したくないので、シガーライターソケットに端子をさす方法と、オーディオ電源などから取る方法を考える必要がある。すでにシガーライターソケットからスマホなどの充電をしている場合は、ソケットを分ける部品も購入する。
電源とドライブレコーダー本体は電源ケーブルでつなぐ。ケーブルはカーナビなどの配線と同様に裏をはわせる必要がある。たいていは工具不要でドア枠のゴムを外し、ケーブルを埋め込むことができる。ひとりでも作業できるがやったことがない人は自動車用品店に頼む必要がある。自動車用品店にとってはネット通販は敵なので、敵から買った商品を持ち込むと高い作業賃を取られる。買う前の状態で自分で工事をする自信がない場合は最初から自動車用品店に行って買った方がいい。
最後に本体を装着。フロントガラスに強力粘着テープで貼るか、最近ではバックミラーに装着するタイプもある。いずれもドアミラー付近に装着することになる。運転中は視線に入らないようにするには小型のタイプを選び、ドアミラーの裏側に貼り付けるようにする。事件事故が気になるために買う場合は、万が一の事件事故のリスクを思い出しながら運転するのはつらい。一方、常時ドアミラー付近で映像を流しっぱなしにしたいという人もいるだろう。
事故時には本体を外して、本体モニターで直接確認することもあるだろう。それが夜かもしれないので装着しやすい場所にすべきかもしれない。旅行の記録などで頻繁に映像や写真を取り出したい場合は本体に装着するSDカードも外しやすさを考えたほうがいい*2
すでに持っている人に実機を借りて装着イメージを持つか、自動車用品店でモックを借りるとよい。
雨の日を想定して、ワイパーが通らず、水滴が残る場所に設置することを避けたい。
運転中に目立たないところに装着したら、通常は運転中の視界とは少し異なる。フロントガラスは平ではないので、地面と水平となる映像が撮れる場所に貼るだけでも意外と難しい。実際に電源を入れて映像を確かめながら貼る位置を確認した方がいい。取扱説明書では安全のお知らせに続いて、装着方法が説明されているが、

購入→充電→貼り付け

の順番となる。
レビューが豊富な通販サイトでも、ここまで理解してレコーダーを買うのは難しい。初めて買うときは高くても自動車用品店に直接行くことを勧めたい。世の中、何でもネットで買える時代だが、まだリアル店舗の役割は残されている。

パソコンでの利用

取った画像や映像はスマホやパソコンでも利用したいところだ。無料のソフトウェアでも再生できる規格だとよいが、専用のビューアーが必要な場合、自分だけで使うには問題ないが気軽にネットにアップロードしたり人に渡したりするのは面倒になる。
わたしが買った機種はMP4形式で保存されるので普通のビューアーでも見られるが、専用ビューアーも用意されている。専用ビューアーだから特殊フォーマットだということにはならないのでよく調べる必要がある。

発火事故

ドライブレコーダーは電池を内蔵した状態でフロントガラス付近に装着される。夏の高温に対して大変過酷な環境だ。回収対象となった機種もある。個人の意見だが、怪しいメーカーの機種は選択肢に入らなかった。
モバイルバッテリーを持ち込んで長時間駐車監視をしたい人もいるだろうが、夏の炎天下にモバイルバッテリーを持ち込むのはおすすめできない。ダッシュボードの中でも相当温度が上がる。

*1:時が経って今のミドルクラスが在庫処分されるときには1万円以下になるかもしれないが、2016年以前のモデルの在庫処分は性能として今ひとつ

*2:クラウドに自動送信してほしいなあ