2TBの壁

FAT32というハードディスク・フォーマット形式には2TBの壁がある。2TBは個人にとって、とてつもなく大きな容量であるが、昨今では「とてつもなく」ではなくなってきた。

動画や写真

ハイビジョン画質の映像もハードディスクで保存するようになった。写真は解像度が高いだけではなく、枚数が増えている。「はい、チーズ」とはもう言わない。わたしの場合、レンズに被写体が入るやいなや、ずっとシャッターボタンを押しまくる。連写機能も使う。人の顔を撮るには相手が笑うのを待つのではなくこの方が効率的である。カメラにはフィルムを入れ替えなくても何千枚も写真が入るので、残り枚数よりは、ボタンを押しまくって指が痛くなることの方が心配である。
ためた映像をすぐに編集するなり、整理するなりすればいいのだが、映像や写真を整理すること自体が趣味ではなく、むしろ苦行なのでたまにしかやらない。その結果、どんどんたまる。

FAT32を使い続けるわけ

WindowsファイルシステムNTFSが主流で、家庭用NASのOSはLinuxだからEXT3などが使われる。しかし、その両者で読める規格はFAT32しかない。
もちろん、ちょっとがんばればパソコンでWinodwsもLinuxも使えるのだが、OSを入れたりいじるのが趣味ではないからそういうことに時間をかけたくない。
両者で読まなければならない理由はバックアップである。NASのバックアップは外付けUSBディスクに採るのが手っ取り早いし、バックアップ処理が自動化できる。バックアップディスクは、バックアップを取ったら安心ということでなく、取ったバックアップが使えなければならない。つまり、NAS自体が読めなくなった場合に、接続を切ってWindowsパソコンにつなげたらすぐにバックアップファイルが読めなければならない。「すぐに」というのは意外と重要で、バックアップやリストアが趣味でも仕事でもないので、NASが壊れて精神的にあせっているときにあまり苦労せずに読めなければバックアップとして意味がないということだ。
ディスクはどんどん大容量化している。今、データがなくなったらとっても落ち込むのではないか。津波被害で家を流された方々も、一所懸命アルバムや記念品を探している。どのファイルが、というわけではないが、ためていたものが急になくなるのはとても怖い。なんとしても避けたい。
代替策はある。

  • パソコンでWindowsを使わずにLinuxを使う。
  • 外付けUSBディスクではなく、手動操作でDVDなどに焼く。
  • 同じNASを2台買ってきて、壊れたら入れ替える。
  • バックアップのためのNASを買う*1

どれも手間や経済面でいまいちである。
わたしが買った外付けUSBディスクは箱を開けた時点ではNTFSでフォーマットされていた。これでは家庭用NASでは読めない。説明書には家庭用NASへの接続について書かれていなかった。そこでNASの説明書に従ってEXT3でフォーマットしてしまうとWindowsでは読めない。仕方がなくFAT32でフォーマットすることになる。
バックアップとはいえ、セキュリティがきちんと設定できないのは少し気になるが仕方がない。
ところが仕方がないではすまなくなってきたことがある。それが2TBの壁である。
外付けUSBディスクのメーカーは、2TB超でもフォーマットして使えるツールを出しているが、Windowsパソコン用である。
FAT32の世話になるのはそろそろ終わりかもしれない。今後はどうしたらいいのだろうか。

*1:本体内部でRAID-1にしているのは完全な対策ではない。RAID-5は対策として全く意味がない