リフレ議論がおもしろかった

ABEMAで成田悠輔さんに池田万作さんが挑戦した動画が面白かった。
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リフレ派と緊縮派は一度同じテーブルについてじっくり話をしてほしいと思っているのだが、緊縮派ではないものの成田さんが「横這い力」を取り上げたことに対してリフレ派がかみついた形となった。

最初に書いておくが、わたしは緊縮財政には否定的だが、リフレやMMTが唯一の正解だとも思っていない。正しいかもしれないし、正しくないかもしれない。専門ではないのでわからない。
こういう風に言うと、ポジションを決めずに眺めているのは批評する資格がないと言われるかもしれない。
ただ「宇宙人が地球に来ているか来ていないかはわからない」と同じように、わからないものはわからないと素直に認めるのもひとつの見識だと思う。

リフレ派は、貨幣の価値創造は銀行が通貨を発行したときに起こるものであり、ここがすべての起源だと主張する。わたしなりに解釈するならば、カレーライスのおいしさがどこで生まれるかはわからないが、少なくても香辛料から作ったカレーを入れないとカレーライスにはならない。カレー粉でもカレールーでも、やり方はいろいろあるが、カレーを入れずにカレーライスがおいしくならないのはなぜだと騒ぐのは滑稽だという。
主流派は、通貨発行権が政府にあることは認めつつ、富は政府の会議室で生み出されるものではない。経済は複雑なものであって、政府がコントロールできるものではないと主張する。そしてオーソドックスな経済学者はインフレのコントロールが困難だとする。

経済学、財政学の主流派は、リフレ派を軽蔑している。ただし自分たちが主流派だという意識があるからか、主張が弱い。リフレ派はどこまで財政拡大できるかを数字で言っているのだから、緊縮派はどこまでが限界か数字で言うべきだし、中立派は両方の主張を組み取って論評すべきである。

日本経済は国際資本の思惑に飲まれ、財務省日本銀行も海外との相談なしには政策を決められないというような陰謀論もある。それはそうかもしれないけれど、単に相手を無能だ無知だとお互いを罵り合っていても始まらないような気がする。ぜひ徹底議論をお願いしたい。