財務省は敗戦、占領を想定しているのか

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国会における西田参議院議員財務省の闘いがおもしろい。

上記YouTubeのサムネイルは「国民を分断する」となっているが、個人的にはハイパーインフレーションに関する財務省の見解に注目。

西田議員はMMT理論に基づいて、過去の国会質疑で財務省を論破してきている。
そして迎えた2024年5月27日の委員会質疑。
平時は国債は借り換えによって調達するから、税金で返済する必要がない。
ただし、円への信認が崩れた場合は税金で補填をしなければならず国民の財産を大きく損ねるというのが財務省の主張。

では、過去そのようなことがあったのかと尋ねると、終戦直後のハイパーインフレーションだという。
ここで、財務省は戦費調達を国債でまかない、財政比率が著しく異常だったからだと主張するが、財政比率は今の方が悪いと西田議員は反論。
ハイパーインフレーションの原因は、市場の供給能力が破壊されつくしたときに需要が爆発的に伸びたにもかかわらず、財政出動を封じられたからだと説明した。
これには財務省も反論せず、最悪の事態への備えが必要と繰り返すばかりだった。


この質疑に基づいて、以下、考察してみる。
1940年代を振り返れば、世界最大の国を含む連合国を敵に回し、軍事同盟の相手国が次々と降伏した。
そして、エネルギー資源の国産が乏しい国で資源を絶たれた。
ウクライナ戦争で孤立する現在のロシアから、石油と同盟国中国を引いたような状態だが、これより悪い状態というのはどういう状態なのだろうか。

ちなみに、現在の中国もロシアも、経済が終わりだ終わりだと言われ続けているが、相変わらず終わらない。
外資産の凍結のみならず、SWIFTも取り上げられたが、まだ戦争を続けることができている。自国に最終決定権があるからだろう。
ユーロにしばられているギリシャ財政破綻潜在的リスクから逃れられない。
自国の市場経済が成熟せずに、中国なしには何もできない北朝鮮も、機動的な政策は打ち出せない。

日本はどうやったら、中国、ロシア、ギリシャ北朝鮮以下になるんだろうか。

台湾有事は懸念されることであるが、日本の過去を振り返っても、戦時には経済統制ができていたことが確認されている。
もっとも、需要も抑える政策だったので暮らしは困窮したが、経済財政破綻はしなかった。

戦後の日本を再現するのであれば、戦争だけではなくGHQの存在が必要である。
米国は今も駐留しているから半ばGHQみたいなものかもしれないが、それに代わる存在が必要だ。

つまりは、アメリカも国連も完全撤退で、反対側陣営に日本が乗っ取られるという事態まで進まなければ財務省の懸念は現実にならない。
つまり、財務省は「日本が反対陣営に占領されることを最悪の事態として想定している」
と言う類推が成り立つ。

欧米巨大資本が円売りを仕掛けようが、日本がなにか画期的なイノベーションに成功してアメリカが新たな貿易戦争を仕掛けられることがあろうが、そんなことくらいでは財政は破綻しない。
懸念すべきは、中国の恒大集団みたいに、借金減免もできない、でもつぶせないみたいな状況を日本国の財政が強制されたときである。
財政の自由度を奪えるのは、第二GHQ以外にありえない。

反対陣営に占領されたら、すべての主権を奪われるわけで、財政規律だけ残しても意味がないような気がする。
占領に備えて財政規律を保つよりも、占領されないようにすることが重要ではないか。