大手携帯会社は高いのか

三大キャリアの料金が高いという報道が繰り返しなされる。
大きくなった市場においては高級価格帯をセットする事業者が現れなければ、それに安値で対抗する事業者が現れにくく、市場の選択肢が提供されにくい。
自動車販売産業でも同じこと。高いからみんな150万円程度にすべきだと言ったら、どのメーカーも似たような車種しか出さなくなるし、趣味で車を買おうという人たちが別の趣味に乗り換えてしまうだろう。
もし、教科書にあるような談合やカルテルで高止まりしているのであれば問題だが、格安スマホも存在するし、2018年現在では楽天もMVO(自社で回線を保有する事業者)への参入を目指しているから、競争状態は保たれていると思う。
競争した上で高いのであれば、品質やサポートなどを総合的に契約者が満足して受け入れているのだと考えられる。

気になるのは、以下の2つ。

  • 複雑な料金体系
  • 窓口の待ち時間の長さ

料金体系については、単純さを矯正するのは競争をゆがめるので良くない。大手が複雑だからこそ単純さで客を集めようとする事業者が現れる機会を生む。よくないのは複雑な体系を理解しないと契約できないと思わせることであって、多少面倒かもしれないが、標準プランで契約して何もオプションをつけない場合の見積もりを必ず出させるようにすればいいのではないか。その上で複雑な見積もりを出してもいいが、そこで「わかりにくい」という人にはわかりやすいけれど高い契約を交わす自由を与えればよい。
窓口の待ち時間については、単純な契約はネットでできるので、ネット利用者には事業者から割引を提供する。事業者から代理店に払っているのだからそれを利用者に振り分けるだけである。契約内容の複雑さゆえ、窓口でないと対応できないものもあるが、入店して手続き内容別のボタンを押させ、番号札を渡した跡は待たせるだけ、というフローが非効率。確定申告でさえ並んでいる来訪者に端末に入力をさせている。基本情報の事前入力くらい、並んでいる間に終わらせるようにすればいいのではないかと思う。
PCやスマートフォンにはマイクもカメラも付いている。来店不要、または、窓口応対前に済ませられる手続きをもっと増やせるはずだ。

 携帯事業者が解決しなければいけないのはこういうことであって、高いという批判に答えることではない。

高いと思うなら安くしてみよう

高いと思う人には、いくらでも安くするための情報はあふれているし、それを知っている人は身の回りにいる。この点も自動車やブランドファッション(高級カバンなど)と変わらない。自動車だと批判しないが携帯は批判するというのは差別だ。
悩み別に解決策を提示したいが、すべての人にすべての悩みを同時に叶えるのは難しい。契約相手も金儲けでやっているわけで、すべての望みに対応していては営業費用が膨らみ、回り回って月額料金を上げてしまう。ただ、どんな人でもネットを使うか、身近な人に相談するかくらいはできるだろう。自分の制約ばかりに囚われて「そんなことはできない」と諦める前に、努力を怠っている可能性はないか確認が必要だ。
1. 基本料金が高い
長年同じキャリアを使い続け、そのキャリアを使い続けたいという場合。ドコモならMVMOでも使う回線は同じ。auソフトバンクはサブブランドを持っている。身近に店舗がなくても通販で買えるので離島でもない限り問題ない。
キャリアを乗り換えるつもりはなくても、その姿勢を見せるだけで割引オプションの提示は受けられる。
2. 端末代が高い
自動車の場合、モデルチェンジ前の車種は割引率が上がる。また、決算月は営業マンの提示額が大胆になる。携帯電話も同じ。
3. 手続きが長い
わたしも、わたしの手続きだけで数時間待たされた経験がある。慣れてもいないのに光回線との抱き合わせを提案してきて、端末の操作方法に手間取って契約受付システムの稼働時間内に処理が終わらず、明日もう1回来てくれと言われた。
もう代理店には絶対に行かない。
代理店といっているのは、携帯事業者からインセンティブをもらって営業している小売店舗のことで、ブランドの看板を掲げている店のすべてではない。
まず、ネットでできる手続きは全部ネットで済ませる。その上で窓口に行く必要がある場合は、店を選ぶ。キャリア直営の店のベテラン店員のところへ行く。とにかく手続きが早い。地方在住だと難しく、手続きのために東京まで行ったらそれだけでもう1台買えてしまうくらいお金がかかる人もいるだろうが、小1時間くらいという人なら時間をかけるべきである。近所の店しか無理という場合はそこの販売員への相談料と思って諦めるしかない。
事業者派遣の人は自社のシェアを下げないことが目的で窓口にいる。インセンティブがでなくても給料が出るので、余計なオプションを提示することもない。
営業開始直後が窓口はすいているならそこを狙うべき。窓口にいきなり行かずにネット予約を活用すべき。どこに行くかだけでなく、いつどうやっていくかも工夫できる。
4. オプションが多すぎる
上記と同様、インセンティブがない人を選ぶか、ネットショップを利用すべきである。
人によって条件は変わるだろうが、基本的に月々1万円以上払っているのは、高くても内容に満足しているか、単なる勉強不足である。

通信量が増え続けている

通信料ではなく、通信量、すなわちパケットの増加が収まらない。
音楽や動画をじゃんじゃんダウンロードしている人は、それは新たな娯楽を楽しんでいるのだから仕方がないとして、テキストでメールやニュースが読みたいだけなのに、迷惑メール動画の広告をダウンロードさせられるのは問題である。大容量のダウンロードができる高めの契約に乗り換えなければならなくなる。携帯電話会社よりも、むしろ広告業界への献金が増えてきていることを実感している。
迷惑メールフィルターや、広告ブロック対応のブラウザは存在するが、広告業界側も対策を講じている。
Opera miniというブラウザのリーダーモードというのを試してみた。ニュースサイトの広告動画はブロックしてくれる。しかし、ニュースサイトは最初の画面で記事を全文表示させない。「続きを読む」などのボタンが用意されていて、それを押すと再びリーダーモードにするか問うメッセージが現れてしまい、読むのに億劫である。
有料の購読サービスを使うとある程度広告を回避できるが、参照先のリンクがあちこちに設けられていて、押した先は広告満載のサイトだったりすることも多い。あるニュースサービスは、1ヶ月読むのに1GB程度かかる。
ニュースという取材費用がかかる情報を無料でダウンロードできる代償ではあるだろう。しかし、せっかく払うのであれば取材者に直接払いたいのであって、広告は不要である。
アプリケーションのダウンロードし放題のサイトがあるのだから、そのうちニュースも広告ブロックかつダウンロードし放題のサイトもできるのではないかと期待している。今はニュースも広告もダウンロードされまくりだから不満である。