マンション傾斜問題

パークシティLaLa横浜が傾いている問題。
三井不動産レジデンシャルがWebに公開しているお詫び文では「横浜市所在のマンション」となっているが、まとめサイトなどですぐ出てくるのでマンション名をふせている意味がない。

  • 旭化成建材が全額負担するという。もし実現すれば全額負担するという前例を作った意味は大きい。ただしタワーマンションだったらどうなるのだろうか。瑕疵企業が再建負担の全額負担するどころか、未だに前例がない解体の費用負担だけで倒産してしまうおそれがある。
  • 今回の例では、調査が始まっていたのに懸念情報が不動産取引を行っている人と共有されていなかったことについて誰も責任を取らなくていいことについて法的規制が必要なのではないかと思われる。資産価値が損なわれることは想定していなかったという声明が出ているが、現に報道後、所有者は物件を売りに出せない状態だと思われ、換金ができないということは資産価値がなくなっているということを意味する。
  • 報道によると、再建費用負担なしでも、管理組合がまとまらない可能性があるという。阪神・淡路大震災の被災マンションの再建では、個人への負担金が重荷でなかなか管理組合の意見がまとまらなかったそうだが、お金の負担がなくてもまとまらないなら、マンションのリスクは相当高いと思わざるをえない。一戸建ての欠陥の場合は、個人が建築業者と交渉をしなければならないが、建築途中に検査を入れたり、瑕疵保険を使ったりなど、リスクのコントロールを行う手段が今はある。マンションの場合はマンションの隣人がリスクなので対応する方法がない。がんが見つかると保険料の支払いが不要になる生命保険はあるが、マンションに瑕疵が見つかった時点で、安全性の確認が終わらなくてもローンがチャラになる保険が開発されないとリスクヘッジはできない。
  • 再建費用を全額負担と言われても、住民は納得していないのではないか。ローン担保権取り外しの処理を全戸こなし、再建の際には各戸の住人が選んだオプション装備まで含めて完全に再現してもらえるのだろうか。もちろん入居後に加えた設備投資についてもどうなるのか謎である。旭化成建材は全戸解体・再建にはならないと見込んだうえで費用負担を表明したのかもしれない。
  • 大型マンションの建設会社は、下請けの作業について何も監督できていないのである。たくさんの作業項目をすべてチェックしていたらマンション価格が2倍になってしまうかもしれないが、重要工程くらいすべて丸投げにしたり、書面の確認だけで終えたりしないでほしいと購入者は思うだろうが、今の監理体制では難しいようだ。大手ブランドにお金を払う価値は何だろうかと思わざるを得ない。
  • マンションの販売に携わった人たちは今どんな気持ちなのだろうか。