マンション更新料訴訟:便乗請求懸念の声 貸主側は評価

2011年7月15日の毎日jp。原告側と賃貸業界両方の意見を取材し、バランスの取れた記事だった。
賃借コストの名目にこだわる必要はないのではないか。更新料が一時的に高いのであれば日頃から貯金すべきだし、貯金できないなら家賃が低い家に住むべきである。
更新料が何に使われるかと言えば、管理を委託している不動産業者の臨時収入に使われる。Webの無料不動産物件検索サイトの運営費や、更新手続きに用いる書類を作成するための費用はそこから支払われている。裁判所に更新料が発生する理由を聞かなくてもわかるはずだ。
貸し主と借り主には情報格差があるという主張もなさっているが、受験勉強をしたばかりの生徒ならば本屋か図書館で賃貸のハウツー本を入手して読むくらいの能力はあるだろう。それをしたくないなら勉強料として払うしかない。子供から金を取るなという前に、周りの大人がしっかり教えてやれと言いたい。
更新料がない物件が増える中で、更新料を設定した家主はリスクを負っている。

  • 更新料を嫌がる賃借人が更新料発生前に引っ越してしまうと、更新料を含んだ収入計画が崩れるし、リフォーム代が発生するかもしれない。
  • 更新料を負担できない人が入れないことは安定収入を見込めるメリットではあるが、負担できない人しか入れないことは対象顧客を絞ることになる。
  • この訴訟の原告のように、更新料を払えないと言い出すかもしれない。

それでも、月額家賃を下げることで割安感を出したいということもあり、更新料ありを選択したのだろう。それで裁判費用まで負担させられたのだからショックも大きいと思う。

業界も改善が必要

というわけで、今回の裁判結果については貸し主に肩入れしたいが、消費者にとって親切な業界ではないという問題提起は悪くないと思う。
貸し主の裁量で契約後に金額が変わるのはよくない。敷金は全額返すべきで、借り主に原状回復費用を請求するのではなく、借り主が原状回復することも選択できる契約にできないものかと思う。
不動産広告は、仲介手数料・管理費・更新料・退去費用込みの平均コスト表示がいいと思う。2年間住んだら月平均XXX円、4年間住んだら月平均XXX円という表示がいいと思う。どういう名目で徴収してもいいけれど、わざとわかりにくくするために費目を分けるのはよくない。
住宅は大手も参入しているが、駐車場は初期コストをかける必要がないから小規模経営が多い。口座を開設する金融機関が限定されたり、クレジットカードが使えなかったり、更新の際にはんこを持って自分から行かなければならかったりとか、昔から変わらない。