鉄道の混雑率

国土交通省のWebサイトに鉄道混雑率の資料が掲載されている。http://www.mlit.go.jp/report/press/tetsudo04_hh_000036.html
なぜかは知らないが、混雑率は朝だけ測ればいいということになっている。現在首都圏の鉄道で混雑が最も激しいのは終電間際である。
朝の混雑は、ラッシュ時間帯より早く乗ったり、遅く乗ったりして避けることができるが、深夜帯の混雑は避けることができない。早めても混んでいるし、遅くすれば電車がなくなる。200%超は当たり前になっている区間が散見されるが、資料上は週刊誌を読めるようになったと錯覚してしまいそうな数字になっている。
深夜の混雑緩和に有効なのは、折り返し設備の確保である。終点まで走ったら保線の時間が確保できなくなるので、それなら途中で打ち止めにすればいい。しかし、武蔵野線は東京を出るとなぜか東所沢まで走らないと気が済まないようにできている。中央総武線も、御茶ノ水を出ると津田沼か千葉まで走らないと気が済まないようにできている。吉川美南止まりにすると、乗務員が家に帰れなくなるからだろうか。実は折り返し設備というのは線路の改良ではなく、当直所や宿泊施設だったりする。増発をめんどくさがって、南船橋西船橋行なる便を平日4本設定しているが、新木場駅舞浜駅の混乱をさばくには全く効果がない。東京発吉川美南行きか、10両編成で東京発西船橋行きを走らせて朝ラッシュなみの1時間5本運用をしないとそのうち競合の路線バス運行が始まって後悔することになる。

殿様商売しすぎである

バスに期待する

深夜急行バスというと、東京駅や新宿駅前の限られたバス停を奪い合っているようなイメージがあるが、バス会社の人は電車に乗らないのだろうか。今にもホームから人が落ちそうな駅はいくらでもあるのにどうしてそういう駅から夜行便を出さないのか。そして都バス。大規模なバスターミナルを各地に持っているのに、どうして終バス後のバス停を深夜バス事業者に貸し出さないのか。北千住駅発、高田馬場駅発、目黒駅東口発、錦糸町駅南口発はかなり便利だと思う。そして郊外方向の電車はどれも座れないのである。
基本的に鉄道は深夜輸送の改善に全く興味がないのである。ホームライナーの類は少しダイヤが乱れたら中止してしまうが、JRにとってはたくさん走っているうちの1便かもしれないが、そのホームライナーを狙っていた人にとってみれば唯一の便だったのである。JRが気軽に乗客を裏切るのであれば、運休せず走るホームライナーを代わりに提供すればいい。
新たな路線を開拓する必要はない。ホームライナーの運行区間や、地下鉄が途中で打ち切りになる駅を狙って、鉄道と同じルートで走れば良い。駅前広場には鉄道の客を狙ってタクシーが行列を作っているので、バスから下りた乗客はタクシーで帰ってもらえばいい。