馬喰町方面

総武線快速東京駅の発車案内。旧式の電光掲示ではわずかな文字数しか表示できないのに、最近、種別表示欄に

馬喰町方面

と表示するようになった。馬喰町方面快速千葉、馬喰町方面快速上総一ノ宮のような表示である。
種別と行先だけ表示しても初めて来た人にはわからないという一般論は理解できる。しかし、初めて来た人が馬喰町というマイナーな地名を理解しているとは思えない。京成がそうしているように「船橋経由」ならまだ理解できるが。
馬喰町駅を軽視したいわけではないが、東京駅から2駅目の駅が方面表示の代表となる感覚が理解できない。
あるいは馬喰町アピールだろうか。「え、馬喰町の方に行くの? 東京駅から馬喰町ならタクシーか都バスで行くものだと思っていたが、総武線でもいいのか。良いことを知ったな〜」という人がいるのだろうか。
東京駅で発車案内掲示を見る人にとって一番ニーズが高いのは当駅始発電車かどうかの情報である。ホームに向かいながら、総武地下ホーム2番線から4番線のうち、どのホームに行って並べば座れるかを気にしている人は多い。ホームライナーを運行しているくらいだからJRは着席ニーズがあることを当然知っている。
少しでも早く行って並びたいのに掲示板はかなり長い間馬喰町方面としか教えてくれないので時刻表を見ることになる。何のための電光掲示なのか。

 始発表示は常時表示にすべきだ。

標準化しすぎ

従来は、方面表示をするのは環状運転する山手線くらいだった。内回り外回りがわかりにくいという人は相当数いるらしく、新宿・渋谷方面の方がいいのかもしれない。
湘南新宿ライン上野東京ラインの登場によって、次の電車がどこに行くのかわかりにくくなっている。だから中間駅を表示するようにし、それを長く表示する仕様に変更したのだろう。ただ、横浜駅上りホー厶で横須賀線湘南新宿ラインを間違えたら一大事だが、東京駅で内房線外房線総武本線成田線の直通を乗り間違えても途中の総武線快速の千葉まで同じ経路であり、千葉までに車掌では何度も放送する。比較的被害は少ない。
ましてや現場を理解しない誰かが、数ある停車駅の中から適当に選んだ馬喰町はほとんど役に立たず、始発かどうか確かめたい利用者に迷惑をかける。
2番線は横須賀線総武線快速とが併用しているが馬喰町方面の表示で誤乗が防げているとは思えない。
JRに限らず、鉄道会社は行先が最重要と思いこんでいるが、長距離便の行き先を厳密に知りたい人は終点付近まで乗る人だけだから、途中止まりは常時表示、長距離は常時表示でなくてよい。
具体的には津田沼行は常時表示すべきで、君津行は方面表示と交互でもよい。ただ個人的には「内房線直通」の表示が5文字も占めているので「君津」の行先表示と「内房線直通」表示を交互にするといい。
案内表示に限らず駅の掲示全般は仕様統一を重視しすぎである。統一仕様に反する情報は看板に記載することができず、駅員が美観を気にせずにラベルプリンターで作ったラベルをペタペタ貼って補っているが、どこで何を掲示すべきか現地調査して設置すべきである。

東京メトロがやや改善

以前、東京メトロに対して猛烈に批判したが、改善しつつある。例えば路線図にて、JRなら何でも「JR線」で統一していた表記を例えば「JR中央・総武線」などと書くようになってきた。JR東日本が駅・路線ナンバリングを開始したのを機に、路線数が少ない駅では路線名を書くようにしているし、車内液晶ディスプレイでは路線数が多い乗換駅でも頑張って各駅の路線ナンバーを表示しようと努力している。方面表示に駅ナンバーを並記するよう指摘していたが、これも実現している。わたしのブログを読んで参考にしたとは思っていないが。
銀座線や日比谷線の新型車輌で、車輌の行先表示にまで駅ナンバーを書くのは個人的にはやり過ぎだ*1と思う。荒いドットで駅ナンバーを書いても見にくいと思うのだが、その路線に乗り慣れていない人にはわかりやすいのかもしれない。ただ、乗り入れ先の駅ナンバーまで書くなら、駅の路線案内に乗り入れ先の路線も自社路線と同じフォントサイズで書くのが親切というものだ。東京メトロの路線図は1.5以上の視力がないと使いこなせない。相互乗り入れを実施している路線では、副都心線を除くと相変わらず他社路線冷遇が解消されていない。

*1:日比谷線の場合、東武線に入るとナンバーを表示させないらしい