スマートフォンの意外な影響

駅のエスカレーターを歩かせないようにする周知が一時期多くの鉄道会社で行われていましたが最近下火になったような気がします。
都市部では片側歩きというのが大半ですが、大都市には、2列とも歩きになってしまうエスカレーターがいくつかあります。隣に階段がないエスカレーターに、電車を降りた通勤客が集中するといった条件が重なると見ることができます。東京だと半蔵門線水天宮前駅押上寄りや、りんかい線新木場駅中央付近では2本のエスカレーターで4列歩行が行われ、初めて来た人はびっくりします。もちろん歩行自体が自己責任もしくは非推奨ですがみんな歩きます。
ただし2列歩行は徐々にスマホの影響があらわれています。エスカレーターを歩きたくない人は一定数いるのですが、上下左右100人以上が例外なく歩いているのを見ると一人だけ立ち止まるのは相当の勇気を必要とします。はけるまで待っても次の電車が来てしまうので、嫌なら混雑時間帯を避けるしかありませんでした。ところが歩きスマホ人間は上下左右を見ていないから、立ち止まる。先を急ぐことより目の前のスマホに夢中なため、立ち止まる。以前は2列歩行をせき止めているのは年配の方か、ルールに忠実な方でしゃきっと立っていらっしゃる感じでした。今は、30代くらいの男性が猫背で立っているのを目にします。数年に一回、エスカレーターで将棋倒しになる事故が発生していると記憶していますので、立ち止まることに文句はありませんが、前を向いていないのは危険だと思います。

危険行為が危険行為を防ぐという構図です

そのうち2列歩行はすたれるかもしれません。歩きスマホがすたれる気配はありませんから。
移動中は空気を読まない人間が確実に増えています。