車内放送は誰のためのものか

JR総武線では平日朝夕、地下鉄東西線直通電車を運行している。各駅停車に乗って千葉方面から西行きの電車に乗って津田沼駅に着くと、同じホームの向かいから東西線直通の始発電車に乗り換えることができる。
ところが直前の駅を出てからの車内放送では、別のホームから出る総武線快速電車の発車時刻しか案内しない。なぜ東西線直通の時刻は案内しないのか。

  • 東京メトロに客を取られるから?
  • 西船橋までは総武線各駅停車の後発電車の取り扱いであり、わざわざ後から発車する電車の案内をする必要はないから?

どちらだとしても鉄道会社の論理である。終点は同じ中野かもしれないが、経由が異なり、都心までの運賃は安く、しかも座れる電車なのだから乗客のことを考えたら放送してほしいと思う。「地下鉄東西線直通は、同じホームの向かいです」くらい言ってくれてもいい。
お客のためではなく、ただのルーチンワーク、もしくは慣例踏襲で放送しているのであれば、うるさいだけだからやめた方がいい。静かに乗車する権利を乗客に与えていただきたい。
東海道線、特にJR東海区間に長い間乗っていると、新幹線の乗り換え駅が近づくたびに新幹線への乗り換えを促されているかのように感じる。お前、何回シンカンセンって言った?と尋ねてみたくなる。それくらいしつこい。
JR西日本山陽新幹線でサイレントカーを廃止。なぜ廃止なのか。そもそも、各地の新幹線で普通に行われている乗り換え案内は誰が聞いているのか? 知りたい人はいると思うが、相手に伝えようとせずルーチンワークとしてごにょごにょつぶやいている状態では、聞きたい人には伝わらず、聞きたくない人にはうるさい。ただの雑音であり、全く役に立っていない。たまにきちんと伝えようとして話す人もいるが、乗り換え駅には多くの電車が乗り入れていて、全部聞くのは大変だ。車掌や駅員に聞く人のほとんどは自分で調べない、放送を聞くのが面倒な人である。たぶん、放送をやめた途端に車掌や駅員が質問攻めにあうということはないと思う。

聞き手のことを考えたくないなら、安心してやめてもらってよい