長寿国の看板返上か?

ご長寿失踪騒ぎで、海外メディアが長寿国が偽りだったと主張する記事を掲載しているという。
1億2000万人のなかでたかだか失踪している数十人がいなくても、人口統計にはほとんど影響を与えないだろう。特に超高齢者は平均余命の統計には影響されないらしい。誤解を与える報道だ。
日本を批判する国では、ひとりも間違えずに死亡届が出されているのだろうか。そもそも戸籍制度がある方が珍しい。

ご長寿の実態はデータ

今回の失踪人には都内最高齢も含まれているという。実在確認しない人に対して机上で「最高齢」という称号を与えてしまったことは情報化社会の弊害だと思う。「情報化社会の弊害」というと「子どもが英語の授業の予習をまじめにせずに翻訳サイトに頼る」とか「仮名漢字変換の誤りをそのまま信じ込んで使用する」とか、情報が気軽に入手できてしまうことに対して注目が集まってしまうが、情報が手に入りやすいこと自体は悪いことではない。情報の使い方を正しく理解する、させることは必要だが、情報が安易に入るのはよくないことだから情報化をやめましょう、ということにはならない。ただ、最高齢者不在のように、裏付けのないデータを信頼し、データが一人歩きするのは、よくないことであるとともに、やめなければならないことだ。
厚生労働省で対策チームが結成されたが、対策方法として保険の利用実績を活用するという。誤ったデータの補正に、別のデータを使えばなんとかなるだろうという発想である。しかし、年金は受領していますが病院には行っていない人を要注意人物としてみなすというのはいいことなのか。実際確認作業をする人の立場になってみたらいい。その家に電話をかけ、「突然すみませんが、おたくのおばあちゃんは死んでもいないし病院にはいかないくらいぴんぴんなんですか?」と家族に聞くのだろうか。
すでにプランに入っているが、実地調査をするだけで十分だ。余計にデータをかぶせる必要はない。