ねじれ国会は制度的欠陥 つづき

平成20年度第2次補正予算案。定額給付金自体の是非は本論に関係ないのでここではふれない*1定額給付金を独立した補正予算案として分割提出しても、与党はほぼ同じ日*2から定額給付金を配ることはできる。そして定額給付金以外の政策は再可決を待たずとも衆参を通過して実現できる。しかし、ねじれ国会では定額給付金が抱き合わせで法案提出された。
わたしは、意味のない意地の張り合いがもったいないと思う。野党に妥協したからといって、誰が政府・与党を責めようか。求心力低下だとののしるだろうか。金融国会の民主党案丸呑みは、今になって誰かが自民党弱腰の象徴と評価しただろうか。イラク海外派遣の法案や、ガソリン税暫定税率廃止、あるいは福田総理(当時)が「私はかわいそう」と言ったのとは全く別次元の問題だ。
どこが最も国民のことを考えていないかと問えば、この通常国会に関しては間違いなく自民党だ。ねじれ国会が長期化すると、与党に適切な判断能力を失わせてしまう。
ねじれ国会そのものは、国会運営が変わっておもしろかった。参議院で野党が強行採決して自民党のタレント議員(元プロレスラーなど)が委員会室に乗り込むというのは新鮮だった。ただし、ねじれ国会が深まった後の与党の暴走は、今回の安部・福田・麻生綱渡り政権で歴史上最後にしてもらいたい。

*1:他の日にふれているが

*2:もともと一本だった予算案を分割する事務には時間がかかるかもしれないが、定額給付金を第3次補正予算案として提出すれば予算審議の衆議院の優越特権が適用できる