消えていくネット記事

新聞記事は、全国に紙で配られる。その紙は廃品回収やリユースに行く部分が多いとはいえ、きちんとスクラップして保管される記事もある。その後、多少の訂正がされたとしても一度出た記事は縮刷版として未来永劫、図書館で保管される。何年前の記事でも好きな時に読める。
一方、ネットの記事は断りもなく消えていくものが少なくない。クロールエンジンやブログのリンクなどでニュース記事の存在が捕捉されていても、いざ記事の載っているサイトに行くとNot Foundになってしまうケースがある。携帯電話のポータルに配信される記事もしかり。以前も書いたデジタルホン(第2世代携帯)のStation機能*1は、ダウンロードされる記事だけを読んでもそれなりに楽しめたが、現在のSoftbank(第3世代携帯)のS!情報チャネルは、すぐにリンク先に遷移させられるような気がする。そして、リンク先が時々なかったりする。Yahoo!から送られる「朝よむマガジン*2」も、半日前のニュースすらリンク先がなくなっている*3。通信料にしかお金を払っていないから仕方がないとはいえ、過去の記事が利用できる手段がないと困る。
Googleは、人の家の軒先を撮影してネットに出す暇があったら、過去の記事アーカイブをネットに残すためのビジネスモデルを考えてほしい。もちろん、新聞社がいったん出したのにこっそり引っ込めたものも含めてだ(正式に訂正記事の出ているものは不要)。Yahoo!は、新しいニュースを無料で見られるのはありがたいけれど、有料サービスでもいいから、数十年前から数日前まで、幅広い年代の各社配信記事を見られるようにしてほしい。
過去の記事を読めるサービスをしている雑誌もあるが、その会社の雑誌しか見られないと思うとなかなか使いにくい。押し紙の存在なんぞを聞かされると、今の新聞のビジネスモデルは間もなく崩壊すると思うが、大手新聞社が提供してくれているアーカイブ機能はどこが担ってくれるのだろうか。
情熱大陸で週刊誌SPA!の編集長が語っていたが、その週刊誌は「おもしろければいいじゃない」ということらしい。未来にも残る記事づくりからは対極にあるが、ネットの報道記事もまじめな顔をして、実態は「後に残そうとは思っていない」わけで、SPA!と同じだったりする。

*1:まもなくサービス終了。大変残念

*2:http://mobile.yahoo.co.jp/pr/dailymail.html

*3:朝に送られてくるマガジンだと思っていたが、朝しか読めないマガジンだった。休みの日に遅めに起きると読まずに捨てることになる