ETC割引の波紋

 東名高速で夜間ハイウェイラジオを聞くと、御殿場での渋滞に関する注意が流れる。毎日同じ内容を流しているようで、その部分は録音済みのテープを使い回している。
 御殿場-東京間で22時を超えて走ると、深夜割引より有利な早朝夜間割引が適用される。サービスエリアに置いてあるパンフレットにも、具体例として普通車2,500円が1,250円になると書かれていて、いつも高速を利用する人なら誰でも知っている。鉄道の定期券分割購入のようなものだろうか。だから、0時過ぎ*1に御殿場ICをいったん出て、すぐに入り直そうと考える者が現れる。この場合、御殿場までの料金が3割引で、御殿場から東京までの料金が半額になる。
 その結果、御殿場周辺には待機車輌が群がる。たいていは長距離トラックで、パーキングエリアやサービスエリアには収まりきれず、本線上にも停車する。ハイウェイラジオは手前の施設で時間調整するよう注意を呼びかけるが、

ハイウェイラジオなんて、誰も聞いていない。

 同じような光景は、東京及び大阪に接続する他の高速道路でも見られる。高速道路会社にしてみれば、経営している施設の売り上げが増えればいいと思っているだろうが、もともと1回数百円の経費を節約しようとしている人たちだ。民間委託で単価が上がりつつあるレストランを利用するようになるとは思えない。一方で本線での事故や渋滞が心配になってくる。

保育所のようなパーキングエリア

 帰省の時期は高速道路会社も、早朝割引による交通集中回避を狙おうとした。その結果もあってか、帰省客は深夜帯へのシフトを強めた。
 わざわざ車で帰省する人の中には、乳幼児を伴った家族連れが少なくない。子供が他の乗客の迷惑になるし、混雑した空港や列車内ではおむつの交換も大変と考えているのだろう。渋滞を避ける意味もあり、子供がいても深夜を選ぶ人が出てくる。
 それはわかるが、きちんと子供を寝かしつけてから出発するべきではないか。深夜帯のサービスエリアで、数多くの子供たちが走り回っている光景は異常である。子供が大人の生活リズムに合わせて夜更かしする傾向にあるというが、発育に影響ないのだろうか。
 道路会社は効率重視の民営会社だから、24時間営業コンビニの増設、帰省時期の営業延長を模索するようになるのではないかと思う。ただし、深夜走行をあおるのはよくない。大型トラックへの速度抑制装置装着で休日ドライバーにもかなり安全になってきたが、それでも深夜の夜間走行はリスクも大きい。

*1:深夜割引は0時から4時まで。22時過ぎに実行すると早朝夜間割引のみになる