続・ライブドアショックの報道

 当ブログに「ライブドアショックの報道」を書いた当日の報道は、長期投資を薦める論調だったが、翌日からはマネーゲームへの批判に風向きが一変した。
 きっかけは、ライブドア株の取引が成立したことだと思う。「こんな時にも投機家が大活躍している」と。
 報道ステーションは、2006年1月25日、26日の両日にわたって、株の値動きをグラフで紹介した。レポーターと評論家役の証券関係者のペアで、値動きを実況してみせた。立会場で証券マンが手サインを出していたときは市場の動きをテレビで表現しにくかったが、今はオンラインの画面があるから映像化しやすかったのだろう。
 しかし、こんなものをテレビで出して何の価値があるのかよくわからない。幹線道路に定点観測カメラを設置して、「左からトラックがやってきましたぁー」「おーっと、右からはマイクロバスであります」というのと同じくらい

どうでもいいこと

だ。マネーゲームのことを報じたいのであれば、連日ストップ安、ストップ高の乱高下を繰り返している株なんていくらでもある。
 ギャンブラーの一喜一憂をニュースが報じるのは、競馬の重賞レースの結果だけだと思っていたが、今後は「マネーゲーム」というギャンブルも報道のねたになるのだろうか。
 ただ、マネーゲームを批判しても仕方がない。お金が絡むのだからみんな儲けたがるのは当たり前である。評論家の「市場が成熟していない」というのは、意味がわからない。長期投資をする人だけが参加する市場が優れているということなのだろうか。
 日経は冷静であった。27日の日経新聞朝刊では「個人買越額5000億円超」という記事を掲載した。個人の狼狽売りを上回る買いが入り、相場を下支えしたとある。振り返れば、これが正しい見方だと思う。前にも書いた通り、個人投資家はピンチだった人もピンチでなかった人もチャンスととらえて注文を出していたのである。

経済のことでは、やはり日経が頼りになる

と思った。