よく行く駅に貼ってあるポスターに「来年」という文字があるのがずっと気になっていた。
2月になってようやく「今年」と書かれた紙片が貼られた。
長い時間使う文書や長期保存する文書に、「last, this, next」系の相対時系列表現語句が無造作に使われているのを見ると、書いた人の文書センスを疑いたくなる*1。
25時20分にこの文書を書いているわたしのように、現代人の中には日付の境界があいまいになっている人が少なくない。だから、自分にとっての今日が相手にとっての今日ではない可能性があることを意識しておきたい。電子メールで
- 今日の実験結果についてお知らせ下さい
- 昨日の話について、またお聞かせ下さい
と送られると、いつのことだったか考えさせられる。そういうときは
ならわかりやすい。
ただし、どんなときも今日や明日という言葉を使っていけないということはない。暦上は日付をまたいでしまったが、相手に「気持ちをなるべく早く伝えたいから今日寝る前に報告したぞ」ということをさりげなくアピールしたいことがあるかもしれない。翌日に相手が読んでも差し支えないように工夫しておけば、
- 本日締め切りの原稿です。夜遅くなりましたが御確認下さい。
- 今日はお時間をいただき、誠にありがとうございました。
という表現も悪くない。
わたしはテレビの天気予報を見るたびに不満に思っているわけではない。音声ならば別にかまわない。また、新聞の天気予報のように、古い新聞を読み返すなら日付を意識して読むのが前提のメディアならば別にかわまない。
相対表現ではなくて絶対表現についても、気をつけたいことがある。
数字が若い日付は、読み手がそそっかしい人だった場合に勘違いされることがある。たとえば5月30日に、以下のようなメールを出した場合。
2日は10時に集合です。
笑ってはいけないし、そんな馬鹿なと思ってもいけない。メールは、意外と誤解しやすいものである。
6月2日(木) 10時に集合です。
と書く癖をつけよう。