テレビのニュースを見ていたら、学校の体育館で、子供が盆踊りの練習をしていました。数十人くらい映っていましたが、一糸乱れず見事です。最近は運動会で入場行進をしないそうですが、かわりなのでしょうか。みんなで呼吸を合わせてひとつの行事に取り組むことを、わたしは没個性だとか批判する気はなく、むしろいいかなと思っています。ただ、これが報道にもならないほど国中に普及したら、わたしが子供の頃から知っているお祭りとは別のものになってしまうだろうなと思います。
ただ、都会で行われている大多数の盆踊り大会は、単に騒音を垂れ流すだけの行事になってしまいました。踊っている人はいません。学校の体育館で教わらなければならないほど、みな踊り方を知りませんので当然です。がんばっているのは、露天商の人と、変な歌*1を流すスピーカーだけです*2。
地元の商店主は、何であんなものに協賛金を出さなければいけないのか疑問に思っているでしょう。なぜなら、盆踊り大会に出かけるために店を閉めたら、コンビニに負けてしまいます。自分たちが行かない行事にお付き合いでお金だけを出さなければなりません。今のご時世では政治家からの寄付金はあまり期待できませんので、献金圧力は高くなっているかもしれません。
昼間も地元にいて仕事をしている人が参加できないとすると、あとは誰が地元の行事を支えるのでしょうか。子供でしょうか? 子供は減っています。通勤で外に働きに行っている人たちは、他地方出身の人がほとんどでしょう。地元には寝に帰っているだけです。自治会主催のお祭りなんて行くはずありません。お祭りに行くとすれば、故郷に帰るでしょう。都心近郊の住宅街では、あと10年もすると盆踊り大会は絶滅危惧種になるのではないでしょうか。