商品陳列への改善要望

東京に出張しました。
帰りの電車まで時間があったので家電量販店に行ったんです。

スマホアクセサリー

スマホを買うと保護フィルムやケースなどのアクセサリーを買う人がいます。
アクセサリーは毎日見たり、直接触ったりするものなのでリアル店舗で確かめたいという人は少なくないと思います。
通販でもいいのですが、特に隣国の製品や、隣国資本のショップはECサイトのレビューが信用なりません。箱を開けてがっかりしたくない場合は展示を見てから買うといでしょう。都心の巨艦店に行くと包装から取り出された見本を触ることができます。
以前は機種のバリエーションが豊富でしたが、スマートフォンが普及してからかなり経ち、歴代のバージョンを揃えるとかなりの売り場面積を取るようになりました。iPhone8とSEは同じケースが使えますが、近年のモデルは形が違います。そして、最近15が発表されましたね。Google Pixelでいえば、7と7aは形が違います。まもなく8が出ます。
その結果、1機種あたりの選択肢が減ったのでしょうか。色が5種類だったのが3種類に減っているのでしょうか。
上位3位までに入った機種は、種類がむしろ増えているくらいです。一方、それ以下はひどい扱いです。
シェアの低い商品がすみっこに追いやられています。iPhoneとGalaxyは豊富な品揃えですが、かつて首位を争ったSHARP AQUOSはニッチ商品扱いです。

iPhoneとGalaxyなら、とても大きい文字でブランド名や機種名が表示してあります。
この棚はずーっとiPhone13、この隣は全部14のように。ただ、大きさに複数の種類があるのでそれでも取り違えは起こりそうです。
一方、マイナーな商品や、古い商品の場合、広い棚を見渡してようやく2, 3品目だけということもあります。
ウォーリーを探せのような状態です。

店舗で選びたい人はシェアの高い商品しか選べないようです。ただ、失敗してもまた買い直せばいいという方は通販でもいいと思います。

シャツ

同じビルにファストファッションの店が入っていたので立ち寄ることにしました。ちょうどシャツが欲しかったのです。
ほとんどの人にとって、シャツは同じサイズしか買いません。太ったのでひとつ大きいサイズに変えようとする人はいますが、すぐに連想するのはズボンやスカートだと思います。
Mサイズの人は、いつもMサイズのシャツを買います。ウエストのサイズほどは変わらないでしょう。子だくさんの家だとしても、兄弟姉妹全員まとめ買いというのはあるかもしれませんが、お兄ちゃんと妹で来店したら各々がそれぞれのサイズを探すことが多いのではないでしょうか。
なのになぜ、シャツの陳列はブランド別なのですか。
A商品: XS, S, M, L, XL
B商品: XS, S, M, L, XL
C商品: XS, S, M, L, XL
ではなくて、
XS: A商品、B商品、C商品
S: A商品、B商品、C商品
M: A商品、B商品、C商品
L: A商品、B商品、C商品
XL: A商品、B商品、C商品
としてくれないのはなぜですか。
この列はXSとSです、この列はMです、さらに隣はLです。
これでいいじゃないですか。

陳列が面倒くさいからですか。もしそうなら、その面倒くささをどうして客に転嫁するのですか。

わたしは、この店の商品に貼ってあるサイズシールをはがさずに家を出そうになったことが何度かあります。
貼ってあるか気づかないような大きさのアルファベットを陳列中の商品から探し、大きさを特定しなければなりません。
L、L、L。そしてこれもL。あ、こっからここまでがLだ、この先はMだ、と。M、M、M、、、、。
この棚は全部Sです、と言ってくれれば、アルファベットを探す必要がなくなりますし、当然サイズ取り違えも減ります。

ハンガーで吊るして売られている商品は、カラーバリエーションがありますからM→L→XL、M→L→XL、M→L→XLとなっていますね。
ただし、店員が整理、補充していればの話です。
自分のサイズが抜けている場合があります。吊るしの商品は、普通はSがありません。小柄な人はかわいそうです。

実は、サイズ順が部分的に取り入れられているんです。
一般的に、男性用、女性用、子供用に分けています。
大人のSサイズを着る人は実は160cmの子供服のほうが体型に合うかもしれないと思っています。特にXSサイズは品揃えが限られています。
あるいは女装趣味ではなくても女性用のTシャツが体型に合うこともあります。逆に体格がいい女性も品揃えに不満があると思います。
なぜとても離れた場所に置くのですか。
同じブランドを同じ場所に置きたいなら、男女子供の分別もやめてほしいです。
LGBTQの法律には反対でしたが、部分LGBTの店をつくってほしいです。
ユニセックスの服、つまり、見た目だけでは特定の性を感じさせない衣服は、同じ場所でまとめて陳列してほしいです。一部の柄物のTシャツくらいですよね。

店を歩き回るのが楽しいと思う人がいます。
そしてお店で働いている人も、店員個人としては毎日通っていて見飽きていたとしても、歩き回りたい人の気持ちに寄り添って店舗設計をしていると思われます。
しかし私は違います。好きなものを売っているお店は歩き回りたいですが、シャツなんてさっと選んてさっと出たいです。
現実は買いたい商品にたどり着くまでこっちの棚見て、あっちの棚見てをやらされます。
スーツで、身長別陳列を採用していた店がありましたが最近みかけません。ブランド別に戻ってしまったのでしょうか。

充電器

シャツ選び歩き疲れたあと、再び家電量販店の階に戻りました。充電器を買い忘れていたからです。
100Wを超える容量を持ち、PCとスマートフォンを1台で充電できる高出力充電器を狙っていました。
いくつのメーカーが出していますが、希望の商品はほぼ決めていました。
残る問題は、目当ての商品がどこに売られているか見つけることです。
ネットで商品があること自体は知っていましたが、品名などを覚えているわけではないので店員に聞いてもわたしと同じ方法で店内をめぐるしかありません。

PC周辺機器売り場なのでしょうか。スマートフォンアクセサリー売り場なのでしょうか。
充電器メーカーは、最近は中国系メーカーが元気です。Ankerなら水色、AUKEYなら黄緑色と、目立つPOPを掲げて大きな陳列棚を確保しています。他の家電量販店でも同じです。
テレビコマーシャルをやっているほどではないので、ブランド名(メーカー名)がそれほど知れているとは思いません。
ところが、そのブランド名を書くだけで、何を売っているのか書いていないんですよね。それが不思議です。

服飾のブランド戦略の真似なのでしょうか。
わたしが、もじゃぁもじゃぁというブランドを立ち上げたとして、大きな文字で「もじゃぁもじゃぁ」書いて店の壁に貼り、のぼりに大きく書いて立ててみたところで、買いに来た人は何を売っているのか理解できるのでしょうか。
中国、日本だけでなく、グローバルで展開している有名ブランドだぞと自負してもいいですけれど、そんなことは買う人にはどうでもいいことです。

商品に近づくと、「あ、これはモバイルバッテリーだったのか」とわかります。
大容量充電器は売っていないようでした。
エスカレーターで隣の階に行くとまた同じPOPが出てきます。
近づいてみると、違うものが売られています。ドッキングステーションです。
PCのUSB端子に挿すだけで、机上にある複数の機器をいっぺんにつなげられる便利な周辺機器です。
ドッキングステーションにも、充電用USBケーブルを挿せばPCに充電できるものもあります。ただ、デバイスは1台しか使えません。
わたしはPCとスマートフォンを同時に充電したいのです。

隣の棚は同じブランドのヘッドフォンでした。
さらにその隣はPC単体用のACアダプターでした。
ここまで見て、あ、ここはPC周辺機器の塊なんだとわかりました。
ただ目当てのものが見つからないのです。

さらにエスカレーターに乗ります。
見つけたのは3つ目の売り場でした。
今回の場合はわたしは主にブランドで探していました。このメーカーのがよさそうだとあらかじめ調べていたからです。
偶然ですが、競合他社商品はすぐ見つかったのです。ただ、本命商品だけ見つかりません。
でも、そのブランドの売り場を3つ歩き回りました。
なぜ、ブランド別陳列をするなら、同じブランドを1か所にまとめてくれないのだろうかと。
テレビと冷蔵庫は同じ場所にまとめなくていいです。
新年度、新学期の引っ越しシーズンだけ家電を一括展示する習慣があります。それは一生に数回あるかどうかです。今引っ越しをしない人にも、引っ越しのときに買った家電を思い出してもらえる効果があるので、特定の時期だけやってくれればいいでしょう。
でも、PCの充電器と、PC・スマホ両用の充電器を異なる階に展示する意味があるのでしょうか。しかもブランド別展示をしているのに。
せめて「〇〇は、こちらの売り場にあります」と一言書いておいてくれればいいのにと思いました。

店舗内に複数のブランド陳列を設けることで、目には留まりやすくなるでしょう。
デパートの北海道物産展をスーパー内で分散開催するようなものです。
少し歩くと北海道産、また少し歩くと北海道産。
「北海道産であれば何を買ってもらってもいいでしょう」と割り切るなら成功ですし、今回何も買わずに帰る人にも北海道を記憶に残すことには成功するでしょう。
ただ、道具を買いに来たい人は、とりあえずで買い物はしません。
ですから、ブランド商品を店内に分散するのは、そのブランドを指名している人にとっては迷惑です。
ふらっと来て、そのブランド名を覚えて帰るかもしれない人と、来店前からブランド名を知っていて指名買いしたい人。どちらが重要なのでしょうか。

ブランドを指定する人はネットで買うというのはそうですが、ブランド指定でも店に来る人はいるのです。
必要としていて来店した人に対しては、追い返したり、疲れて断念させたりするよりは、来店中に買ってもらった方がいいと思うのはわたしだけでしょうか。せっかく電車賃や駐車場代を払っているわけで、帰ってから通販サイトでぽちしますではなく、その場を気に入ってもらって、商品が見つかるようにしましょう。

ノートパソコン用アダプター

これは買わなかったのですが、ノートパソコンの予備アダプターが欲しいと思って見に行きました。
ところが、以前よりもかなり品ぞろえが悪くなっていることに気がづきました。
近年は、USB-Cケーブルでノートパソコンに給電ができる機種が増えているからでしょう。
PCメーカーの純正アダプターではなく、上述の水色や黄緑のメーカーのものが売れているのです。
棚の近くにあった掲示を読むと、一部のメーカーについては、メーカーに問い合わせてくださいと書かれています。自分で売ることをあきらめています。

だとしても、やけに少なすぎると感じました。
そこで、本体の売り場を見てみると、実は本体のついで買いをねらって近くの棚に自社分だけ売っているメーカーがありました。
あるメーカーは全く展示していないし、別のメーカーはそれなりの区画を確保してアクセサリーを置いています。
こういう店は、アクセサリーだけ買いに来る客は相手にしていないのです。通販の方が楽ですよと。
ただ、アダプターは、断線したり、家に置き忘れてきたりして、急に必要になる物なんですよね。
できれば全メーカーかつ純正品とサードパーティー性を1か所にまとめて置いてくれるとうれしいです。
あるいはレジ横に「〇〇はお問い合わせください」と書いてくれれば最初からレジに行きます。
店員が減りすぎていて、見つけるのが大変なんです。

歩き回っているうちに、目当ての機種はUSB-Cケーブルでも充電できるのではないかと思い、調べたらその通りでした。
迷っているうちに、独自仕様の接続端子がついているACアダプターを買わずに済みました。
歩き回るのに時間がかかったため、乗る電車を遅らせて東京を後にしました。

ノートパソコン

最後に言いたいのがノートパソコン本体です。
都心にある、そごうを改装した大型店ですが、久しぶりに行ったらPC売り場が魔改造されていました。
AppleコーナーとLet’sノート相談コーナーはしっかり持ち場を確保していましたが、それ以外はシャッフルされていました。
はっきり言って、もう行きません。
何がどこにあるのか、さっぱりわかりません。

これまで、サイズ別だ、ブランド別だと、私の希望を勝手に書きました。
パソコンについては、何順に並べるのが最適なのか、難しい商材だと思います。
・価格
・性能
・画面サイズ
・ブランド、メーカー
個人の感想ですが、何順に並べているのかわかりませんでした。
サイズ順なのかなと思うのですが、例えば前述の充電器のように、特定のブランドのパソコンが欲しいという客がいたとすると、何か所を回ればそのブランドの商品を全部見られるのかがわからないつくりになっていました。
サイズ順にしたなら、ここは13インチですよ、とか書いておけばいいのに、掲示してあるのはブランド名なんです。
ただ、さっきの充電器のように、A社の棚があっちにもこっちにもある。

店頭でカタログを手に取ってみて、この商品がいいと思ったとしても、売り場の中をひたすら歩き回らないと探せません。

わたしは、パソコンはブランドで選びます。好みは変遷していますが、買おうと思ったその瞬間にはひとつかふたつのブランドに決めています。
すると、陳列配置は致命的です。

ブランド別の陳列は、各社のネットショップに行けばいいし、家電量販店のWebサイトでもメーカー別のフィルタリングはできるので、A社が好きだという人はリアルの店舗に来ないだろうと考えたのでしょう。
そんなことはありません。

同じブランドでも、廉価モデルと上級モデルでは材質が違うことがあります。13インチと14インチはどちらにしようか迷う場合があります。触って確かめたいところですが、触った感触は記憶で持ち運びにくいものであり、できれば隣とまでは言わないけれど近くにあって触り比べたいです。遠くにあったらそうはいきません。

どの大型店に行っても、陳列してある場合はしっかりブランド単独で区画を固め、大きな机の試用台を確保している会社があります。
Apple(iPhone, iPad, Watchなど)、そしてMicrosoft (Surface)です。
ブランド指定の客は、ますますGAFAに集中します。

スマートフォン

スマートフォンは、同じ機種を複数の通信会社が取り扱っています。
家電量販店では、SIMフリー端末は1か所にまとめて売られていることが多いです。
充電器の会社みたいに、SIMフリーメーカーがブランド名を掲げて売っているのは見たことがありません。
通信機器の場合は、通信契約の手続きがあるため、通信会社ごとにブースを設けるのは仕方がないと思います。
買いたい機種が決まっている場合、通信会社ごとの比較や、割引プランを含めた価格の比較は、店に行く前にネットで調べるのがよいです。
問題は買いたい機種が特に決まっていない場合ですね。
例えば、画面の小ささで選びたい人が選べる機種は減っています。iPhone 13 miniが販売終了となったため、iPhoneでは選択肢がありません。
メーカーは本体色で工夫を凝らしていますが、店頭に来る客に訴求しているとは言えません。
その色の端末が売られているか、そして、見本が展示されているかどうかが極めて怪しいからです。
悩んだ末に色を選んだとしても、カバーをつけてしまえば同じです。
だから、ケース売り場は充実しています。

ブランドで選ぶ人は、Apple直営店などのブランドショップに行けばよいです。
そもそもiPhoneは、新しい商品が出たというだけで、本体に触らずに予約してしまう人がいます。
このような商材は、リアル店舗を必要としなくなってきています。

ただ、商品市場自体が成熟化して、差別化が難しくなっているだけだと思います。
個性的な端末も出ていますが、一部のファンの注目を集めるだけで終わり、人気が長続きしません。

電池の集積度に革新的な技術が持ち込まれ、羽のように軽く、紙のように薄い携帯電話ができたらみんなが触りたがると思います。
ただ、現状は、大きく、重たくなるだけであり、店頭で確かめられるのは高級機種の画面スクロールのぬるぬる感だけです。
無機質な携帯電話売り場では、進化が止まらないカメラの性能を確認するには不十分です。
ゲーマー向けのゲーミングPC売り場はやけに凝っていますが、カメラスタジオを造って、周辺機器のサンプルもたくさん並べて「1回500円いただきますが、何でも貸しますから好きなだけ撮ってみてください」という店がひとつふたつあってもいいと思うんですけれどね。
屋上に客を招いて、空や星を撮ってくださいとするのもいいですよね。
1台20万円を超える商材なのだから、試乗車みたいに試用させてほしいんですよね。でも、なぜか見当たらない。

冒険すべきかどうか

小売は競争が激しい業界ですが、店舗設計は似通ってきます。
私もここまで書いてきて、自分の中に矛盾があることを認めざるを得ません。

シャツの店には冒険してほしい、違う陳列をする店があってもいいのではとしておきながら、
パソコンについては、今までの陳列を乱したことに失望しています。

池袋西武をヨドバシカメラが買ったことが大きく報じられました。
東京の家電量販店は山手線沿線にたくさん店を持っているのだから、店ごとに陳列方法に特徴を持たせたらいいのではないかと思います。

A店は初心者向け、B店は安さとアウトレット、C店は玄人好みとしたらいいんです。
無人かと思うほど店員に会わない(遭わない?)店と、入るやいなや店員が近づいてくる店とがあってもいいし、それをきちんと宣伝したらいいと思うんです。

充電器のメーカーは、都内にアンテナショップを出し始めました。店舗面積はそれほど大きくなく、狙いがよくわからないです。
ブランド指定で買いに来る人を豊富な品揃えで迎えるというよりは、
ブランド名が浸透したらいいなという感じでコストがかかる看板を一等地に出しているだけのようにも見えます。
陳列にない商品は店員にお問い合わせください、とか、取り寄せます、とか、大きく書いておけばいいんじゃないなと思いますけれどね。