リアル店舗にがっかり

家電を選ぶとき、リアル店舗をショーウインドウとして利用し、注文はAmazon楽天という人が増えているようだが、最近のリアル店舗には本当にがっかりさせられる。
通販のほうが安いことは個人的にはそれほど決め手ではない。実物を見て買うのは楽しいし、店員の的確な助言には追加料金を払ってもいい。ところが店員のレベルがとことん下がっている。
店員は、買うのをためらっている客の背中を押すことが仕事だと思っているかもしれない。わたしのように陳列棚の前で悩みがちな客につきあうのは効率が悪いと思っている。
一方、わたしは正確な回答を期待している。先日は付属品について聞いた。店員は今どきそういうものはない、と答えたのでわたしは代替品を買ったが、実は別の店には店頭に普通に陳列されていてがっかりした。買った店の店員は知らなくて適当に答えたか、代替品を買わせるため、他店に行かせないために嘘をついたか、どちらかである。こんな店員の給料のために店に儲けさせたのは不覚である。もう使ってしまったので授業料として返品はあきらめる。ただしもう行かない。
待ってもいいから、知らないことはきちんと調べて正しく答えてほしい。在庫がないならないと正直に言ってほしい。
下調べをせずに店に行き、店頭で助言を求めるのはやめにする。今後、店で聞くのは在庫があるかどうかだけ。店で新たな発見があるのは楽しいことだが、最近は後で後悔する方が多いのでやめる。
別の大手家電量販店では、在庫を聞いたら10分ほど放置されてたあげく

ごめんなさい、なかったですぅ

と言われた。待たされる前には「あります、あります」と言っていたのに。待たされる間、別の商品の勧誘が来た。待たされているので逃げることもできない。それでも10分後にはわかるのでまだましである。「お取り置きしておきましょうか」と言われたが、在庫確認に10分かかった時点で、どうせいあんたはその商品の担当ではなく取り次ぐだけ。次回来たとき、別の店員から

ごめんなさい、まだなんですぅ

と言われるのは、やる前からわかっている。
それでも、通販の在庫表示はいい加減だ。在庫照会はリアルのほうがまだわずかにましである。通販は受注しておいて一方的に解約したり、半月放置したりする店がいまだにある。速達サービスで約束を破ったら保障する通販はがあるが、通常配送でも在庫表示ミスしたら割引する店があれば最強だと思う。
買ってからの保証の説明を聞くのもうんざりである。夕方に行くと「今日これを言わされるのは何度目だっけ」というような棒読み。レシートを取っておけとか、初期不良の場合はどうしろとか、目も合わさず呪文を唱える。そんな心のこもっていないせりふは聞きたくないので、会計が終わったらすぐにわたしを解放してほしい。購入後はとても冷たい。初期不良だとか使い方がわからないなんて後で訴えてはいけない。こんなところを他の客に見せてはならないと言わんばかりに冷たく、こそこそした応対にあう。アフターサービスがいまいちなのは通販も一緒だが、楽天の怪しい安売り店に注文した場合は、最初から高いサービスを期待していないのでそれほどがっかりしないが、売るときはこびを売っていた店員が売り終わったとたん冷たくなるのは本当にがっかりさせられる。ひいき客を作ろうという姿勢は全く見られない。
電池売り場に行く。リアル店舗なのに、電池の製造年月がわからない。古い電池は性能が悪いので生鮮食料品ほど神経質になる必要はないが、できれば新しい電池が買いたい。透明のビニールにくるまれていたときは見えたのだが、今は陳列ケースのハンガーにひっかけられるようなタイプのものが少なくない。ボール紙とプラスチックの包装にくるまれていて、製造年月は見えないように入っている。これでは通販と変わらない。
LED電球売り場に行く。はやく100W形蛍光ランプに置き換え可能な明るい電球が出てほしいなと思っている。ようやくNECライティングが100形相当(1,740ルーメン)を謳った製品を出した。でも、そこでは見るだけで買わない。色*1を間違えるかもしれないからだ。店では他のメーカーが対抗してこないか確かめるだけ。そもそも見ても、他の電球も展示してあり、明るすぎて参考にならない。今ネットで調べてみたら、日立もNECほどの明るさはないが100形相当を出している。型番を指定してネットから注文しよう。
いつから量販店はストレスがたまる場所になったのか。大手量販店の創業者たちは昔は伝説のバイヤーや店員だったと思うのだが、店で客がどんな目にあっているか知っているのか。自分で行くと店員の態度が変わると思うので、覆面調査員にビデオカメラを持たせて潜入させることを強く勧めたい。

他のリアル店舗は?

生鮮食料品の通販はカタログ機能が十分ではない。つまり、試食をさせることはできないし、においは客に伝わらない。生協などの共同購入はカタログ購入だが、写真だけで商品を選ぶのは長短ある。機能食品の効能を強調する場合や、計画的に購入する場合(おいしそうなものを衝動買いしたくない場合)は通販がよい。
オンライン書店は一覧機能が十分ではない。つまり、買うものを決めていないときに探す機能が十分ではない。オンライン書店にはコンシェルジュ機能が必要だ。一方、買いたい本が決まっているときはとても便利である。
自動車のWebサイトはかなり工夫を凝らしているが、やはり空間を再現することができていない、というか今の技術では無理である。座り心地や操作しやすさ、色目、高級感、圧迫感、音は実車でなければわからない。
いずれもウィンドウショッピングでは優位であるが、購入品目が確定したらリアル店舗である必要性はほとんど失われている。すぐ受け取りたい、今あるか確認したい、という要望には応えやすい。一方で、客は店舗まで行かなければならない。行くこと自体はともかく、行ったら疲れるとか、行ったらがっかりといった店は淘汰されると思うよ。

*1:一般に3種類ある