ノートパソコン平均単価上昇

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例年の季節動向をことごとく無視している値動きが興味深い。
PCというのは厳密にはIBM互換機を指すのだが、この統計はMacを含むのだろうか。AppleiPhoneMacに強気の値付けをすることも間接的には影響していると思う。
商品の新規性や独自性が薄まり、どのメーカーでも同じような商品を作るようになると価格競争に陥ると考えがちだが、実際にはすべての商品が値下がりするわけではない。軽自動車は寸法とエンジン排気量に制限があるのに、装備が増えて価格が上がっている。ノートパソコンにも重量、寸法に制約がある。何か制約があると別のところを際立たせようとするのが設計者の習性のようである。かつては同梱ソフトウェアの数で競っていたようなものだが、最近はCPUが高性能になっている。
 高性能とは言え、給電されていないときに電力消費を抑える技術が進歩したので、持ち運ぶ時の電池の持ちを気にして性能を抑える必要がなくなってはいる。しかしCPUだけで近年価格が急上昇している理由を説明するのは難しい。

CPU高速化は必要か

 CPUは車のエンジンに例えられることが多い。排気量が3リットルを超えるような高級車に対して「日本の公道では時速100km程度しか出せないのにその馬力をどこで使うのか」と冷静なコメントが投げかけられることがあるが、ノートパソコンのCPUについても似たようなことが言える。どうして利用者の手元で高性能CPUを作動させる必要があるのだろうか。
 高級車の場合は、高出力のエンジンを積むことで、加速するときも回転数を上げずに静かに走らせることができて乗り心地がよくなる。一方、CPUは高い負荷を与えるとその分本気を出してしまい、温度も上がってしまうしファンが作動してうるさくなってしまう。
 重たい処理は通信先のコンピューターに肩代わりさせることができるようになりつつあり、高い負荷を与える機会が減っているともいえる。Webブラウザワープロ表計算ソフトを使う分には2018年からのCPU性能向上は不要なのではないかとも思える。

パソコンは無駄が多い

 CPUの性能が上がっても、その能力はOSのメンテナンスやセキュリティソフトウェアに使われてしまい、持ち運んでいるときには熱を多く生んで電池を消耗させる。パソコンで行った作業を安全に保管するには通信機能でほかのコンピューターに遠隔保管してしまうというのが現在主流になっているが、この通信については電池のもちを考えて控えめにする機能が乏しい。その通信が不安定になると、手元で使っていたソフトウェアまで不安定になってしまうことがある。完全に通信を切ってしまうと外部保管ができないので、作業中も通信した状態にしておくのが望ましいが、外出時には遠隔保管の頻度を下げ、依存度も下げる仕組みがほしいものだ。
 Webブラウザワープロ表計算で十分であれば、Google Chromebookのような非Windows、非Linux環境の方が電池のもちがよいし、余計なソフトウェアが動かないから軽快に動く。Googleにはもう少しがんばってほしい。