検索履歴追跡型の広告は逆効果

Googleの検索で調べ物を済ませた後、その履歴をもとに広告がカスタマイズされることがある。用事は終わった後なのに繰り返し広告を出されるのはわずらわしい。
楽天での買い物も同じで、トイレットペーパー*1を買った後にトイレットペーパーの広告ばかり繰り返し出されるとしつこさを感じる。買い物が終わった後まで勧められるのはたまらない。
Google楽天がそのようなサービスを提供するのは自由だが、買い物が終わった客にあきれられていることを広告主は知っているのだろうか。Googleサイト内だけではなく、他のニュースサイトなどの広告も連動している。街に出て店で好みの服を買って、店を出るまでは幸せだったが、その後家に帰るまで店員がつきまとって「服はいかがですか」「お似合いですよ」とやられてしまうのと同じである。思わず「さっき買ったばかりでしょう」「あなたが勧めているのはわたしが今手に持っている服です」と言いたくなる。二度とその店には行かないだろう。ブラウザの前の得意客に対してストーカーまがいのことをしていることを理解して広告を出稿しているのだろうか。
広告主は自分の会社や店のサイトを仕事で閲覧する。だから、追跡型の広告を見る条件が顧客とは異なる。見込み客の一般の人がどういう頻度で自社の広告に触れるかはわからないし、得意客がどういうタイミングで広告を見るかは知らない。知らないからあんな失礼なことができるのだろうなと思うことがたびたびあるが、家族や友人や知り合いに頼んで一度見てもらった方がいいと思う。
そもそも、追跡型の広告で勧めてもらった後に実際の消費行動に結びついた記憶は個人的にはない。商品やサービス、あるいは会社名が記憶に残ることはあるが、むしろ「しつこい」という負のイメージと抱き合わせである。何のためにあの広告は存在するのだろうか。潜在客の好みにあった広告を提示するというのは、そもそも現実の世界でやられたら気持ち悪いと思うのだが、ネットだとどうして許されると思ってしまうのか。技術が進んでできるようになったから、他社がやっているからといって、何でも取り入れれればいいというものではない。お金を払って客に嫌われようとするなんておかしい。

*1:例えなので、今現在、実際にトイレットペーパーの広告を出している会社があるかは知らない