大学入試不正

学力の測定を公平に行えない時代の始まりである。
やがて眼鏡に小型カメラと骨伝導型スピーカーが付けられ、携帯電話操作をしなくても解答が受験者に伝わるようになる。脳や目や耳に直接埋め込む者も現れるだろう。
外部入力なしで解答させる方式の試験は、脳のトレーニングをどれだけしてきたかを確認してもらう上で重要なことだ。今回の事件で子どもたちが試験勉強や暗記の意味に疑問を持ってもらっては困る。
ただし公平な学力測定を行うための方法としては信頼性が揺らぎ始めている。大人は携帯電話の持ち込み禁止で満足せず、今のやり方に疑問を持たなくてはならない。
今のやり方は方式が優れているから採用されているのではなく、大量の受験生を集めて短時間で測定と評価が可能という利点が受験料ビジネスモデルとして最適な点が大きい。そしてこれまで最も数多く採用され、慣れているため変えられないのである。リスニングを導入しただけで再生機の故障が問題となったが少し変更しただけでビジネスモデルとしての信頼性が揺らいだ。変え方を誤ったら経営が危ないが、放っておいても大学の品質が保てなくなる。
過去、学生集めのための一芸入試がはやったが、まじめに優秀な生徒を集めたい大学がユニーク入試を真面目に検討しなければならなくなるかもしれない。ただしかなり先のことになるだろう。