人間を自然から隔離しているのは電気である

 停電があっていらい、電気の大切さが身にしみるようになった。
 今日は大きな建物で用事を済ませた後、外に出たらえらく湿度が上がっていた。

今は晴れていますが、実は、さっきまでどしゃぶりだったんですよ

と同行者に言われて驚いた。知らなかった。
 窓を閉め切って音を遮り、中で機械を動かし、照明をつけ、そして空調を整えておくと、外で何が起こったかがわからなくなる。快適な部分については電気のおかげといえばそうなのだが、本当にそれでいいのかなという気がしなくもない。
 都会はコンクリートジャングルであり、土がないというが、街路樹もあるし、虫も飛んでいる。むしろ、建物と外界を締め切ってエアコンをがんがん稼働させていることの方が都会を無機質にしているのではないかと思う。
 外界を締め切っているといるという意味では、エアコンの効いた電車や自動車も同じく。