ビジネスホテルの選び方

ビジネスホテルの3様態

  • 老舗

おふろが狭い。禁煙喫煙の区分があいまい。窓が開く。冷蔵庫の中に有料の飲料が入っていた名残で、仕切りがついていたりする。

  • チェーン展開タイプ

どのホテルに泊まっても同じ作りと設備。テーブルが大きい。ポイントサービスをやっている。

  • 転用タイプ

ウィークリーマンションを改装。フロントから部屋に向かう途中で再び外に出る構造の建物もあるが、寒い日や雨の日は少し困る。部屋の作りがホテルとは違う*1

料金レベル

  • シティーホテル

1万円超。高いけど総じて悪くない。従業員の質がよい。

  • 激安

5,000円以下。どこかを我慢しなければならなくて、その部分がたまたま気に入らなかったりすると、カプセルホテルやインターネットカフェの方がましだと気づいて後悔することもある。寝るだけならいいという考え方もあるので使い方次第である。

  • 中間

安心のシティーホテルと、料金第一の激安との中間には、いろいろなホテルがある。競争が激しいからどこかが良くてどこかが悪いわけだが、どこを取るかによって満足度が大きく変わる。ホテルを探すときには自分のこだわりをしっかり持つことが重要である。

選ぶポイント

  • 禁煙・喫煙

隣の部屋や上下階で吸っていれば、気になる人は気になる。消臭剤完備、空気清浄機完備と書いてあるホテルもあるがそれは当たり前。泊まる前に消臭剤をまいておきます、なんていうアピールもあるが、今時そういうのは禁煙室とは呼ばない。

  • 静か

ホテルの口コミサイトでは廊下の物音が聞こえます、という苦情をよく見かけるが、たいていのホテルでは部屋の前の廊下でしゃべられたら聞こえてしまうものだ。たまたま近くの部屋に当たった人が悪かっただけで、ホテルのせいではないかもしれない。便利な立地であれば道路の騒音も仕方がない。それよりも空調がうるさいとか、隣のビルや施設から騒音が聞こえる方が問題である。耳栓をしても消えない音や振動音は防ぎにくく、眠れない。
冷蔵庫にスイッチがついている、というのは今時当たり前。

  • 臭くない

 なんだかほんのり芳香剤の香りがするのだが、お風呂に入ってみたらかびの臭いがして、臭いを紛らわすためのものだったりする。そういうときはどちらも臭い。無香無臭が一番だ。

  • インターネット

今や有線は当たり前。ただ、ベッドに寝っ転がってパソコンをやりたいのでLANケーブルはもう少し長くしてほしいと思う。無線LANも普及してきた。設定が多少面倒でも暗号化されている方が安心である。なお、都会ならばLTEWiMAXの電波が入ればテザリングで十分な場合もある。

  • テレビ

大型テレビをアピールするホテルも増えてきた。液晶テレビは昔ほど高価ではないので投資しやすいのだろう。

  • ベッド

横幅140cmくらいは当たり前。

  • けちではない

どこのホテルもエコを謳っているが、エコを超えたけちなホテルには注意したい。節水、節電、トイレットペーパーは使い切り・・・とどこを見ても客にがまんを強いるシールが貼られているホテルは少し気分が滅入る。布団やタオルがぼろぼろなことがある。
カードキーを抜いて外出するとテレビが消えるのはエコだと思うが、エアコンまで消さないでほしいと思う。30分のオフタイマーが入るエアコンをホテル向けに売るメーカーがあればいいのにと思う。
部屋の掃除を省略すると割引かプレゼントがつくサービスは今や当たり前。

  • エアコン・換気

上にも書いたが、連泊の客が昼間外出中にエアコンをつけっぱなしというのは地球にやさしくないと思うが、少し外に出ただけでエアコンが切れてしまうのはよくない。そこまで節約したいならビル集中管理でもいいと思う。ただし、業務用は寝るときに稼働音がうるさい。24時間換気も同様にうるさい。家庭用エアコンが設置されている場合は、暑さ寒さを我慢すれば消すことも可能。

  • 枕が選べる

たくさんの種類から好きなものを選んで部屋に持ち込む方式か、部屋に3種類くらい置いてくれているのがよい。

  • 机が広い

仕事をする場合は、広いにこしたことはない。

  • チェックアウト不要

あるチェーンが採用しているが、朝の忙しい時間帯にフロントで並ばなくてよいのはとても便利である。シティホテルのチェックアウトはとても混んでいるが、ビジネスホテルを見習う必要があると思う。

  • 貸出品の申し出不要

例えばズボンプレッサーだったら、部屋常備が最もうれしい。予約時に申し出ておけば部屋に置いてくれるのも悪くない。各フロアに数台置いてあるのはフロントを通さなくて気軽だが、出遅れると翌朝まで使えないリスクがある。フロントで借りる場合は、大きな荷物を持ってエレベーターで部屋まで行かなければいけないからあまりうれしくない。

  • キーを預けなくてよい

ポイントカードがルームキーと兼用になっていると、外出時に鍵を預けてほしいと言われることがない。また番号ロックを採用するホテルもある。番号を忘れるととても困るがフロントを通らなくてすむのは悪くない。番号は携帯電話にでも保存しておけばいい。

  • 領収書の宛名に気を遣う

何も聞かないで領収書を出すのはサービスではない。後で書き換えてもらうのはとってもおっくうである。最初に「宛名の指定があればおっしゃってください」と一言言えばいいのである。次回利用したときに何も言わなくても同じように処理してくれるホテルは最高。

個人的にはそれほどこだわらないポイント

  • 駅近

日本の地方都市では駅周辺よりも郊外の方が再開発が行われやすい。すると駅近は周辺の店が古くて期待できないことがある。移動の時は便利でも滞在時は不便なことがある。駅に近いというだけで高いならば他の点が犠牲になっている可能性がある。少し駅から離れていてもゆっくり休めるホテルがいい。

  • 目的地に近い

ここにこだわるべきかどうかは場合による。地図上で近くなくても、高頻度で出る公共交通機関や送迎バスが乗り換えなしで運んでくれればそれでもいいので、目的地に近いと高くなるのであれば少し遠い場所も探してみる価値がある。

  • 高層

わたしにとって高層階は、エレベーターがなかなか来ないし、急いでいても階段で下りるのはおっくうな不便な部屋である。泊まるだけならカーテンを開けないかもしれないので眺めの良さはそれほどうれしくない。東京タワーならうれしいかもしれないが、普通の都会の眺めは30秒で飽きる。

  • ビデオ見放題

自分のパソコンを持ち込んだ方が好きなものを見られる。

  • 新聞がただ

部屋まで宅配してくれてもいいが、不在かどうかがばれてしまうので、ロビーに置いてあって自由にどうぞ、という仕組みがいいと思う。

  • 無料朝食つき

朝食代込みなだけだ。あまりうれしくない。しかも、おまけで付いている朝食で高い満足を得られることは少ない。朝食に力を入れているホテルも中にはあるが、力を入れているとアピールしているにもかかわらずがっかりなホテルも存在する。それよりも、自動販売機を充実させて、コンビニより安い料金で売ってくれるとうれしい。

  • 大浴場

ビジネスホテルでも温泉付きというのがあるが、単なる大きいおふろかもしれないし、サウナやマッサージ器などの設備が充実しているかもしれない。単に大浴場付きと書いてあってそれ以上アピールがないホテルはあまり期待しない。塩素臭についてはあまり好きではないが、床が不衛生で他の人の水虫が移りそうなほど汚いよりはましだ。
わたしにとっては温泉が本物かどうかより、脱衣場に綿棒を置いてくれているかの方が重要である。

*1:例えば、個室に洗濯機置き場があったりする