電車経路検索サイトを出し抜く

 昔は目的地までの乗り継ぎを調べるのに時刻表を使ったものだが、今は携帯電話やパソコンで調べられるから便利である。検索結果はかなり正確だが、まだまだ機械に挑みたくなることがある。
 東京の常磐線各駅停車で明大前に向かっていたとき、約束の時間に間に合うかどうか心配になってきた*1。綾瀬を過ぎたときに携帯電話の経路検索サイトで調べると、やはり10分遅れそうである。
 乗車中に調べるときは、出発時刻を現在時刻、次に停車する駅を発駅に設定する。この場合は北千住→明大前である。検索結果は以下の通りだった。

北千住-(千代田線)→新御茶ノ水--(徒歩)--小川町-(都営新宿線普通・京王新線)→笹塚-(京王線普通)→明大前

しかし、この経路には疑問がある。新御茶ノ水と小川町の間は乗り換え駅だがとても長く歩かされる。また、急行運転時間帯(このときは昼間だった)の都営新宿線各駅停車が早いわけがない*2。わたしは違う路線の方が早いのではないかと思いついた。勘が間違っていても携帯電話に従っても、どちらにしても遅れるのだから、勘に任せることにした。
 すぐに思いついたのは終点代々木上原まで行って、小田急線下北沢経由京王線井の頭線で行く経路である。しかし、代々木上原での小田急線の接続がうまくいかない可能性が高い。やはり都内から速達列車に乗るべきだと思った。でも、北千住で地上まで駆け上がって常磐線快速に乗っても、待ち時間が少ないと仮定してもその後山手線内回りではあまり早そうではない。どうしよう。
 迷いながら新御茶ノ水に着いたときに決断。違う快速に乗ろう。先頭車輌に乗っていたのだが、ホームを駆け抜けて一番後ろまで行き、さらに日本一長いエスカレーターを駆け上がった*3。改札口を抜けると目の前はJR御茶ノ水駅。JRの切符は地下鉄千代田線の改札で精算したばかりだが、もう1回JRに入場。Suicaを持っていたので時間節約。ホームにたどり着くとちょうど中央線特別特快が入線してきた。とても運がいい。
 都営新宿線小川町駅に行くのと同じくらいで電車に乗れたことだろう。しかしここから中央線は快速運転である。お堀と新宿御苑に沿ってくねくね走るのでお世辞にも高速運転とは行かないが、並行して走っている各駅停車を2本ばかり追い抜く。これなら都営新宿線よりは早いだろう。混んでいる車内を階段付近まで移動し、新宿駅に着いたら一目散に中央西口までダッシュ京王線の構内に入って案内表示を見たらあと2分で特急が出る。さらに運がいい。
 新宿からは途中停車なく明大前へ。携帯電話の示す通りに行っていたら乗っていた京王新線(都営新宿線直通)の電車を笹塚駅手前で追い越した。京王線は特急が駆け抜けたばかりだから、次発の各駅停車が笹塚に着くまでは時間がかかる。検索結果より10分早く明大前に着くことに成功した。

機械に勝った。

 経路検索サイトの弱点は

乗り換え駅の選択

にある。例えば今回の新御茶ノ水-御茶ノ水の乗り換えは、路線図によって乗換駅扱いだったり乗換駅扱いでなかったりする。しかし、千代田線内の路線図では乗換駅になっていて、この路線をよく使う人であれば乗り換え可能であることを知っている。確かにエスカレーターが長く、多少時間がかかるが、息を切らして走ってもよければ小川町に行くよりは早いだろう。このような隠れ乗換駅がいくつかある。
 例えば、JR京葉線東京駅は、他の路線とは離れた中途半端なところにあるので、銀座線京橋駅や有楽町駅の方が近く、同じ駅の中央線ホームから行くよりも便利であることが知られている。
 一方、都営大江戸線の中には、下車-移動-到着待ち-乗車までに10分どころか最悪15分以上かかってしまう駅がある*4が路線図上では乗換駅なので融通の利かない検索サイトだと乗り換え駅候補として表示しまう。急いでいるときには候補から外すべきである。
 サイトを出し抜くには、乗換駅とみなされなかった駅で乗り換えが必要になるので、知識と経験も大事だが、

最後は体力勝負だ。とにかく走れ。

*1:素直に快速に乗り換えておけばよかった

*2:急行に乗れば、停車駅が少ないだけではなく、そのまま京王線に乗り入れて早く着く。でも小川町は通過駅。都営新宿線内で急行に乗るには乗り換えが必要だ

*3:危険です

*4:新宿、六本木、両国など