かつての慣習

 日本語の電子メールが文字化けしやすかったころ、文末の署名には日本語を入れないという風習があった。どうしても日英並記にしたい人は、日本語で最初に書き、最後にシングルバイト文字(半角の英数字)で書く。そうすると、日本語の本文が文字化けしてしまった場合でも最後の部分の署名だけはなんとか読めるのだ。
 今でも文字化けはたまにあるが、慣習は忘れ去られた。
 英語の後に日本語で署名をつける人がいるが、かつての風習を知るものにとっては意味がわからない。
 そもそも、セキュリティーが昨今ほど課題になってくると詐称が簡単で本人識別の役にも立たない*1。メールソフトが署名を自動でつけてくれる便利機能の存在すら忘れかけて、引っ越し前・異動前の古いシグニチャのまま送っていても確かめようともしない。署名が間違っていることに気づいても直す方法を忘れてしまって覚えていない。そういう人が出てきている。

署名は飾りになっている

*1:もともと、技術的には本人識別には使えなかったが、昔のインターネットは性善説で運営されていたから、積極的に信頼したわけではないが「信頼しないということをしなかった」ということ