鈴木選手

 男子超級・・・鈴木選手おめでとう。ようやく井上康生選手を超えられました。テレビで見るとあまりよく縮尺がわかりませんが、すごくでかい人同士の戦いです。わたしが知っている超級の試合って、後で書きますがほとんど動かないものですよ。でも、鈴木選手の柔道は躍動感がありました。井上選手が残念に終わった後でしたので始まるまでは不安でしたが、見ていて安心できました。
 アナウンサーは、鈴木選手の内股が決まったのを見て「きれい」と表現していましたが、内股をきれいと言う人は柔道が強いか知らないかどちらかです。自分が強すぎて投げられることなどあり得ないという方以外は、投げられる立場になって想像してみてください。おもいっきり蹴られて上に1m前後跳ね上げられた瞬間は、何が起こったかわからないものです*1。一瞬のうちに床にたたきつけられて、痛みによって我に返った瞬間、よく見ると

上から100kg以上の巨体が降ってくるんです。

そして、この世のものとは思えない、そして逃れることのできない圧迫、激痛*2。わたしは、大きな人が上手に内股を決めるのを見せられると、きれいという形容詞よりは「怖い」の方が先に出てきます。きれいさは体操の選手に求めた方がいいでしょう。

怖さがわかってはじめて、鈴木選手のすばらしさが理解できるのです。

*1:日常生活では、そういう体験しませんから、頭では理解不能なのです。

*2:うまく決まれば押しつぶされることはないのですが、投げた者が寝技連携を狙っていたり、決まり方が汚かったりすると、おそわれてしまいます