選挙で分断を感じる

日本において選挙がひとたび行われれば、以前から法律すれすれというか、堂々と違反しながらも検挙されないという不思議な世界が繰り広げられていた。
それ自体は今も昔も変わらないのだが、インターネットによる情報の民主化により、記録され、さらされ、証拠がしっかり残る世の中になってしまった。

ところが当事者たちは相変わらず見なかったふりというか、見られなかったふりをし続ける。
「違法性の認識がない」と唱え続けていたら願いはかなうと信じているかのようだ。

取り締まる当局もいい加減で、人によって逮捕したり、何もしなかったりで、不公平感が募る。
法律違反を冷静に、そして秩序をもって排除する力が働かないから、言論を使って自力救済するしか残されていない。
衆議院東京15区補欠選挙ではマイクを使った暴力でもよいと勘違いした者が逮捕に至ったけれど、目立った選挙妨害と認定されることをしなければ政治業界の方々流行りたい放題である。
だから候補者たちは、政策以外のところでお互いを批判しあうというか、罵り合うようになる。見苦しい。

ネットではある候補者を絶賛する者もいれば、強烈に批判する者もいる。
その両者の話を聞いても聞かないふりをして中立を装うマスコミという存在もいる。

仕事ができる政治家をなんでもかんでも取り締まるのは賛成できない。
特別な人なんだから、高度なポリティカルコレクトやコンプライアンスを適用しなくてもいいとは思う。

ただ、仕事をしてくれる前提であればの話である。
仕事をしない人が、仕事ができる人の真似をして、法律を破ったり、人の批判をスルーしたりするのは見ていて嘆かわしい。

お互いの批判ばかりが目についてしまう。いつまでもいっしょに前を向いて歩くことはできないのだろうな。
日本の中で体力をすり減らしている場合ではないのだが。
平和の証だというなら、それまでだけれど。